大雨の中、車で走っていたら、前の道路が水につかっていた。「このくらいなら、通れるかな?」と、思ったことはありませんか?
2019年の台風19号などの大雨では、車が水没して、運転していた人や同乗者が亡くなる事故が、相次ぎました。冠水した道路に、車で入ると、何が起きるのか。水没したときの脱出の手順とあわせて、国土交通省の資料をもとにまとめます。
広告
水深が「床面」を超えたら、もう危険
自動車は、エンジンやモーターで動き、電気の装置で制御されています。深い水の中を走れるようには、設計されていません。水深が、車の床面を超えて、車内に水が入ると、さまざまな不具合が起きるおそれがあります。
- 電気の装置が故障して、自動スライドドアやパワーウインドウが動かなくなる
- マフラーから水が入って、エンジンルームが傷む
- エンジンやモーターが止まって、再び動かせなくなる
水深が床面より低くても、油断できません
- 速く走ると、車が巻き上げた水や波が、吸気口からエンジンに入って、エンジンが止まることがあります。
- 電気自動車やハイブリッド車は、駆動用のバッテリーに水が入ると、止まるおそれがあります。
- 水の流れがあると、車が流されるおそれがあり、とても危険です。
- タイヤが完全に水につかると、車体が浮いて、動けなくなるおそれがあります。
車高の低い車は、とくに影響を受けやすいので、注意が必要です。
水深とドアの関係
水深がドアの下の端にかかると、外からの水圧で、内側からドアを開けにくくなります。ドアの高さの半分を超えると、内側からは、ほとんど開けられなくなります。なお、車の内と外の水の高さが同じになるまで、水が入れば、内側からドアが開くようになります。
運転中に冠水した道路に出会ったら
- 冠水した道路に、安易に入らない。冠水した道路は、路面が見えにくくなります。水深や、道路の端がわからない場所(アンダーパスなど)には、入らないでください。
- 大雨のときは、早めの避難を心がける。
- 冠水した道路で、車が動かなくなったら、早めに脱出する。
広告
水没しそうなとき・水没したときの脱出手順
- 落ち着いて、シートベルトを外す。外れないときは、シートベルトカッターなどで切ります。
- 窓を開けて、脱出する。水に落ちるなどして、窓が開かないときは、水面より上にある、ドアガラスか後ろのガラス(リヤガラス)を、緊急脱出ハンマーなどで割って、脱出します。
- ガラスが割れないときは、待つ。車の内と外の水圧の差がなくなるまで、水が入ってくるのを待って、ドアを開けて脱出します。
脱出用ハンマーで割れるのは、ふつうのガラスです。フロントガラスや、一部のドアガラスは、「合わせガラス」なので、割れません。どのガラスが合わせガラスかは、各メーカーに確認しましょう。
脱出用の道具は、手が届く場所に
緊急脱出ハンマーやシートベルトカッターは、運転者の手が、確実に届く場所に置いておきましょう。ハンマーは、新車を買うときのオプションや、自動車の販売店・用品店で買えます。
水が引いたあとも、気をつけて
- 水が引いても、エンジンをかけないでください。
- 火災を防ぐため、バッテリーのマイナス側の端子を外します。ただし、電気自動車、プラグインハイブリッド車、ハイブリッド車は、高電圧のバッテリーを積んでいるので、自分で対処せず、自動車整備工場などに相談してください。
- 一度でも水につかった車は、動かせても、電気装置などが傷んでいるおそれがあります。自動車整備工場などで、点検整備を受けましょう。
関連記事
出典
- 国土交通省「水深が床面を超えたら、もう危険!―自動車が冠水した道路を走行する場合に発生する不具合について―」(掲載2019年11月27日、情報更新2026年8月26日)(2026年10月25日に確認)
広告
