災害にあったあと、「家の片づけが終わっても、生活費はどうしよう」「どこに相談すればいいの?」と、不安になる人は多いと思います。
被災しても、生活は続きます。そんなときに使える、国や自治体のお金の支援をまとめました。「こんな制度がある」と知っておくだけで、いざというときに動きやすくなります。
災害のあとに使えるお金の支援、5つの分野
1. 生活費の貸付
災害援護資金(市町村)
災害でけがをしたり、住まいや家財に損害を受けたりした世帯の世帯主に、生活の立て直しに必要なお金を貸す制度です。貸付の限度額は、被害の状況に応じて、150万円から350万円までです。
- 対象: 世帯主が、1か月以上の療養が必要なけがをした/家財の3分の1以上に損害がある/住居が半壊以上(全壊・流出を含む)の世帯
- 所得の制限があります(前年の総所得金額が、1人世帯で220万円、2人世帯で430万円、3人世帯で620万円、4人世帯で730万円以下など)。住居が滅失したときは、1,270万円です。
- 災害救助法が適用された市町村が、1つ以上ある災害が対象です。
- 問い合わせ先: お住まいの市町村
生活福祉資金(社会福祉協議会)
金融機関などから借りることが難しい、低所得の世帯、障害者のいる世帯、高齢者のいる世帯は、無利子や低利で借りられます。「緊急小口資金」は10万円、「福祉費(災害援護資金)」は150万円が限度です。大規模な災害のときは、対象や返済の期間が広がることもあります。問い合わせ先は、お住まいの都道府県・市町村の社会福祉協議会です。
2. 見舞金・弔慰金
- 災害障害見舞金: 災害のけがや病気で重い障害を受けた人に支給されます。生計を支える人は250万円以下、そのほかの人は125万円以下(市町村の条例で決まります)。
- 災害弔慰金: 災害で亡くなった人の遺族に支給されます。生計を支えていた人が亡くなったときは500万円以下、そのほかの人は250万円以下(市町村の条例で決まります)。
どちらも、1つの市町村で住居が5世帯以上滅失した災害などが対象です。問い合わせ先は、お住まいの市町村です。
3. 税金と社会保険料の軽減
- 所得税: 住宅や家財に損害を受けたときは、確定申告で、所得税の全部または一部を軽くできます。申告の期限の延長や、納税の猶予などの制度もあります。問い合わせ先は、最寄りの税務署です。
- 地方税: 個人住民税、固定資産税、自動車税などが、減免される場合があります。問い合わせ先は、お住まいの都道府県・市町村です。
- 国民年金の保険料: 住宅や家財などの被害額が、その価格のおおむね2分の1以上のときは、支払いの免除を受けられます。問い合わせ先は、日本年金機構(ナビダイヤル 0570-05-1165)です。
4. こどもの学びを支える支援
- 小・中学校の就学援助(学用品費、給食費など)
- 高校の授業料などの徴収猶予・減免
- 大学などの授業料の減免(基準は学校ごとに異なります)
- 日本学生支援機構の奨学金の緊急採用、通学のための家が半壊以上の被害を受けた学生・生徒への10万円の支援金
- 返還中の奨学金の返還猶予・減額(日本学生支援機構 0570-666-301)
5. 保険と住宅ローン
- 火災保険: 火災のほか、台風、大雨、大雪、落雷などの被害も補償されます。保険の対象は、「建物のみ」「家財のみ」「建物と家財」から選んで契約します。
- 地震保険: 地震・噴火・津波が原因の、火災・損壊・埋没・流失による損害を補償します。火災保険とセットで入る保険で、単独では入れません。
- 車両保険: 台風や大雨などの水害は補償されるのが一般的ですが、地震・津波・噴火による被害は、対象外です。
保険金は、契約の内容や、損害の状況によって変わります。まずは、ご契約の保険会社や代理店に問い合わせましょう。家が壊れて、契約の手がかりをなくしてしまったときは、「自然災害等損保契約照会センター」(日本損害保険協会 0120-501331、平日9:15〜17:00)に問い合わせられます。
住宅ローンが払えなくなったら
自然災害で、住宅ローンやリフォームローン、事業者ローンなどが払えなくなったときは、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」にもとづいて、免除や減額を申し出られます。
- 個人信用情報に登録されないので、新たな借り入れに影響が出ません。
- 弁護士などの「登録支援専門家」が、無料で手続を支援してくれます(国の補助)。
- 財産の一部を、ローンの支払いに回さず、手元に残せます。
希望するときは、ローンを借りている金融機関に、まず問い合わせましょう。
制度の内容や手続き、期限は、変わることがあります。最新の情報は、この記事の末尾にある「出典」のリンク先でご確認ください。
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出典
- 政府広報オンライン「被災したときの生計の維持」(2025年10月15日掲載)(2026年10月25日に確認)
