「再生可能エネルギー」と聞くと、太陽光パネルや風車を思い浮かべる人が多いと思います。でも、再エネは、それだけではありません。
水の流れ、地下の熱、動植物から生まれた資源、雪や氷まで。それぞれの特徴と、課題を、やさしく整理しました。
再生可能エネルギーって、どんなエネルギー?
再生可能エネルギーは、法律(エネルギー供給構造高度化法)では、「太陽光、風力その他の非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用できると認められるもの」と決められています。具体的には、太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・大気中の熱などの自然界にある熱・バイオマスが、政令で定められています。
温室効果ガスを出さず、国内でつくれるので、エネルギーの安全保障にも役立つ、低炭素の国産エネルギーです。日本は、石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料のほとんどを、海外に頼っています。再エネは、その状況を変える力をもっています。
電気をつくる再エネ4つ
風力発電: 夜も発電できる
風の力で風車を回して、電気をつくります。陸上と洋上の両方で発電できます。風さえあれば、太陽光とはちがって、夜でも発電できます。大規模にできれば、発電のコストが火力並みになる可能性があります。
- 課題: 日本では、発電のコストが高いままです。送電線につなげにくいこと、環境アセスメント、地元との調整にも手間がかかります。陸上は適地が限られるため、洋上の風力も検討されています。
水力発電: 安定して、長く使える
水の流れを使って発電します。自然の条件に左右されにくく、いつも安定して発電でき、一度つくれば数十年使えます。近年は、川の水のほか、農業用水や上下水道を使う「中小水力」の建設が盛んです。大きなダムが開発しつくされたのに比べ、中小水力には、これから開発できる場所が多く残されています。
- 課題: 事前に川の流れを長期間調べる必要があること、水利権や地域の理解、奥地で小規模なため、コストが高くなりやすいことです。
地熱発電: 昼も夜も止まらない
地下の熱でつくった蒸気で、タービンを回します。日本は火山国なので、東北や九州を中心に開発されてきました。地下の熱を使うので、化石燃料のように枯渇する心配がなく、昼も夜も連続して発電します。使ったあとの蒸気や熱水は、農業用ハウスや魚の養殖、地域の暖房にも再利用できます。
- 課題: 発電所を建てる場所が、公園や温泉のある地域と重なるため、地元関係者との調整が必要です。
バイオマス発電: ごみが資源になる
バイオマスは、動植物などから生まれた生物資源の総称です。木くず、家畜のふん、稲わらなどを、燃やしたり、ガスにしたりして発電します。使われずに捨てられていた廃棄物を燃料にするので、ごみを減らすことにもつながります。
- 課題: 資源が広い地域に散らばっていて、集めたり運んだりするのに、コストがかかります。小さな設備になりやすい面があります。
熱を使う再エネ4つ
- 太陽熱利用: 太陽の熱を集めて、お湯を沸かしたり、冷暖房に使ったりします。しくみが単純で、導入の歴史が古く、実績も多い方法です。
- 地中熱利用: 地下10〜15mより深いところは、年間を通して温度が変わりません。夏は地上より冷たく、冬は温かいので、冷暖房の効率が上がります。一般的な空気熱源のヒートポンプ(エアコン)にくらべて、40%ほど省エネになるとされています。課題は、掘る費用などの初期コストが高いことです。
- 温度差熱利用: 地下水、河川水、下水などの熱を、ヒートポンプで利用します。夏は水のほうが冷たく、冬は温かい性質を使います。地域の冷暖房の熱源として広がりつつあります。
- 雪氷熱利用: 冬に降った雪や、凍らせた氷をためておき、冷たさが必要な時期に使います。寒冷地でのみ使えますが、雪かきや除雪の悩みを、強みに変えられます。
再エネの課題を、まとめて見ると
- 天候や季節に左右される: 太陽光や風力は、発電量が変わります。需要と供給のバランスがくずれると、大規模な停電のおそれがあるため、当面は、火力発電や揚水発電で調整します。
- 送電線(系統)の制約: 大きな発電所の近くと、再エネに向いた地域は、必ずしも一致しません。「つなげない」「費用が高い」「時間がかかる」といった問題があります。
- コスト: 世界では、再エネの発電コストが急速に下がっていますが、日本では高い水準です。
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出典
- 資源エネルギー庁「なっとく!再生可能エネルギー 再生可能エネルギーとは 総論」(2026年10月25日に確認)
- 資源エネルギー庁「風力発電」「バイオマス」「水力発電」「地熱発電」「太陽熱利用」「雪氷熱利用」「温度差熱利用」「地中熱利用」(同サイトの各ページ)(2026年10月25日に確認)
