空が急に暗くなって、冷たい風が吹いてきた。そんな経験はありませんか?それは、竜巻などの激しい突風をもたらす「積乱雲」が近づいているサインかもしれません。
竜巻は、起きる範囲が狭くて、すぐに終わるのに、一度起きると大きな被害が出ます。サインに気づくポイントと、「竜巻注意」の情報が出たときや、間近に迫ったときの、身の守り方をまとめます。
竜巻は、どのくらい起きるの?
日本では、平均して、年に約20個の竜巻が確認されています(2007〜2025年、海上の竜巻を除く)。1つの市町村でみれば、90年に一度程度の、とてもまれな現象です。それでも、起きると、家が壊れたり、車がひっくり返ったり、飛んできたものがぶつかったりして、短い時間で大きな被害が出ます。
たとえば、2025年9月5日に、静岡県の牧之原市と吉田町で起きた竜巻では、死者が1名、負傷者が86名、全壊した家が76棟、半壊が292棟でした。
積乱雲からは、「ダウンバースト」や「ガストフロント」と呼ばれる突風も、よく起きます。竜巻と同じように、短い時間で大きな被害が出ることがあります。
積乱雲が近づく3つのサイン
積乱雲は、背が高くて、分厚い雲です。成長中は、てっぺんがカリフラワーのようにもくもくして、発達すると、キノコの傘のような形になります。底は太陽の光をさえぎるので、真っ黒に見えます。次のような変化を感じたら、積乱雲が近づいているサインです。
- 真っ黒い雲が近づいてきた
- 雷の音が聞こえてきた
- 急に冷たい風が吹いてきた
このあと、まもなく激しい雨と雷が来て、竜巻などの激しい突風が起きるおそれもあります。サインに気づいたら、すぐに安全な場所に避難しましょう。
「気象防災速報(竜巻注意)」が出たら
これまで「竜巻注意情報」と呼ばれていた情報は、2026年5月から、「気象防災速報(竜巻注意/竜巻目撃)」に名前が変わりました。積乱雲の下で起きる、竜巻やダウンバーストなどの激しい突風に注意を呼びかける情報で、雷注意報を補う情報です。有効なのは、発表から約1時間です。
- 竜巻注意: 竜巻などが起きやすい気象状況になったときに出ます。
- 竜巻目撃: 目撃情報が得られて、さらに竜巻などが起きるおそれが高まったときに出ます。
出たときの行動は、3ステップ
- 空の様子に注意する。空が急に真っ暗になる、大粒の雨が降り出す、雷が鳴るなど、積乱雲が近づくサインがあれば、頑丈な建物に避難します。
- 空に変化がなければ、すぐの行動は不要です。竜巻は、起きる時間が短く、場所もとても狭い範囲なので、情報が出た地域でも、必ず出会うわけではありません。
- 「竜巻ナウキャスト」を、こまめに見る。10km四方ごとに、竜巻などの起きやすさを示す情報で、1時間先までの予測を、10分ごとに更新します。
人が大勢集まる屋外の行事や、高い所での作業のように、避難に時間がかかる場面では、前もって気をつけておきましょう。半日〜1日前の「気象解説情報」で、「竜巻などの激しい突風のおそれ」と書かれたときや、数時間前の雷注意報に「竜巻」と書かれたときから、早めの避難を心がけます。
竜巻が間近に迫ったときの身の守り方
次のような特徴があれば、あなたの身に、危険が迫っています。
- 雲の底から地上へ伸びる、漏斗(ろうと)のような雲が見える
- 飛んできたものが、筒のように舞い上がっている
- 「ゴー」という、ジェット機のような音がする
- 気圧の変化で、耳に異常を感じる
家の中にいるとき
- 窓から離れる
- 地下室か、一番下の階へ移動する
- できるだけ家の中心に近い、窓のない部屋に移動する
- 顔を下に向けて、できるだけ低くかがみ、両腕で頭と首を守る
オフィスビルや高層ビルなどにいるとき
- 窓のない部屋や廊下などへ移動する。ガラスのある場所からは離れる
- ビルの階段室も、避難場所になる。可能なら、下の階へ移動する
- エレベーターは、止まるおそれがあるので、乗らない
外にいるとき
- 近くの頑丈な建物に避難する
- 建物がなければ、飛んでくるものから身を守れる物陰で、頭を抱えてうずくまる
- 強い竜巻では、車も飛ばされるおそれがあるので、車の中でも、頭を抱えてうずくまる
「まさか」ではなく「いつかは」
災害は、「まさか」ではなく、「いつかは」起きるものです。人には、「たぶん大丈夫」「自分は大丈夫」と考えてしまう傾向があります。いざというときは、その考えを捨てて、安全を第一に動きましょう。単独の積乱雲による激しい現象は、30分から1時間くらいで弱まることが多いので、ナウキャストで状況を確かめながら、安全な場所で、過ぎるのを待ちます。
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出典
- 気象庁「気象防災速報(竜巻注意/竜巻目撃)・竜巻ナウキャスト」(2026年10月25日に確認)
- 気象庁「急な大雨や雷・竜巻から身を守るために」(2026年10月25日に確認)
- 気象庁「竜巻などの激しい突風に関する気象情報の利活用について」(2026年10月25日に確認)
