スキーやスノーボード、冬山の登山、雪国への旅行。冬のレジャーで、雪の斜面を見たとき、「ここは雪崩が起きないかな?」と考えたことはありますか?
雪崩は、最大で時速200kmもの速さで、一瞬のうちに人をのみこみます。気づいてから逃げるのは、とてもむずかしい災害です。だからこそ、起きやすい場所と、前ぶれを、前もって知っておくことが大切です。
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雪崩は、どのくらい起きているの?
日本は、先進国の中で、最も雪が多い国の一つです。国土の半分以上が「豪雪地帯」に指定されていて、とくに日本海側の地域に集中しています。雪崩は、毎年、1月から3月を中心に起きていて、死者や行方不明者が出ることもあります。
- 集落を対象にした雪崩の危険箇所(人家5戸以上など)は、全国で2万か所以上あります(合計20,501か所、2004年度に公表)。
- 豪雪地帯に住む約2,000万人の住民だけでなく、スキーや登山、温泉などで訪れる観光客も、巻きこまれるおそれがあります。
雪崩って、どんな現象?
雪崩は、斜面にある雪や氷の全部または一部が、肉眼で見える速さで、流れ落ちる現象です。大きく2つのタイプがあります。
- 表層雪崩: 古い積雪面に降り積もった新雪が、滑り落ちます。気温が低く、降雪が続く、1月から2月の厳寒期に多く、速さは新幹線並み(時速100kmから200km)です。
- 全層雪崩: 斜面の固くて重い雪が、地表面の上を流れるように滑り落ちます。気温が上がる春先の、雪どけの時期に多く、速さは自動車並み(時速40kmから80km)です。
雪崩が届く範囲は、一般に、表層雪崩のほうが全層雪崩より広くなります。
雪崩が起きやすい場所と条件
起きやすい場所
- 急な斜面: 傾斜が30度以上になると起きやすくなり、とくに35度から45度が、最も危険だと言われています。スキーの上級者コースと同じくらいの傾斜が目安です。腕をまっすぐ前に伸ばして、親指を上にした握りこぶし1つ分が、約10度です(個人差が大きいので注意)。
- 低木林や、木がまばらな斜面: 背の高い木が密に生えている斜面では、起きにくいのに対して、低木林やまばらな斜面では、危険が高くなります。笹や草におおわれた斜面は、地面がむき出しの斜面より、起きやすい地形です。
危険が高まる条件
- 表層雪崩: 気温が低く、すでにかなりの積雪があるうえに、短い期間に多くの雪が降ったとき(1m程度以上の積雪の上に、30cm程度以上の降雪があったときなど)。急な斜面で、雪庇(せっぴ)や吹きだまりができているとき。0度以下の気温が続いて、吹雪や強風があるとき。
- 全層雪崩: 過去に雪崩が起きた斜面。春先や雨のあと、フェーン現象などで気温が上がったとき。斜面の積雪に、亀裂ができているとき。
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見のがさない、6つの前ぶれ
- 雪庇: 山の尾根から、雪が張り出したもの。かたまりとなって斜面に落ちます。
- 巻きだれ: 雪崩予防柵から、雪が張り出したもの。
- 斜面が平らになっている: 元の地形がわからないほど、平らに雪が積もっている。表層雪崩の危険があります。家の裏山などは、とくに要注意です。
- スノーボール: 斜面を転がり落ちてくる、ボールのような雪のかたまり。たくさん見られるときは、とくに要注意です。
- クラック(ひびわれ): 斜面に、ひっかき傷のような雪の裂け目。雪がゆるんで、動き出そうとしている状態で、大きくなると全層雪崩の危険があります。
- 雪しわ: ふやけた指先のような、しわ状の雪の模様。積雪が少なくても、全層雪崩の危険があります。
私たちが心がけること
- 市町村のハザードマップで、地域の危険箇所を確認する
- 「なだれ注意報」などの気象情報が出ていないか、確認する
- 自治体が出す情報をチェックする
- 雪崩の前ぶれを見つけたら、決して近づかず、最寄りの市町村役場、警察署、消防署に、すぐに通報する
雪崩に遭遇したときの行動(一部)
雪崩に巻きこまれたときや、近くで起きたときの行動は、「雪崩対応安全ガイドブック」(全国地すべりがけ崩れ対策協議会)に、くわしくまとめられています。そのうちのいくつかを、紹介します。
- 近くで雪崩が起きたとき: 流されている人を、見続ける。巻きこまれた地点と、見えなくなった地点を覚えておく。止まったら見張りを立てて、2つの地点に、ポールや木などの目印を立てる。すぐに、雪崩ビーコン(無線機)などを使って、捜索する。
- 自分が流されたとき: 雪崩の流れの端へ逃げる。仲間に知らせる。体から荷物をはずす。雪の中で泳ぐようにして、浮き上がる。止まりそうになったら、手で口の前に空間をつくる。上を歩く人の声が聞こえたら、大きな声を出す。
12月1日から7日は、「雪崩防災週間」です。冬のレジャーの前に、知識を確かめておきましょう。
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出典
- 政府広報オンライン「雪崩(なだれ)は最大で時速200kmものスピードに!雪崩から身を守るためには?」(2026年10月25日に確認)
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