★ 2026-10-17 防災・備え

土砂災害から身を守る3つのポイント。警戒区域・レベル4・前ぶれのサイン

土砂災害から身を守る3つのポイント。警戒区域の確認、レベル4、前ぶれのサイン(政府広報オンライン)

がけ崩れ、土石流、地すべり。大雨のあとなどに起こる「土砂災害」は、一瞬で家を壊し、命を奪うこともある、とても怖い災害です。山が多い日本では、どこに住んでいても、人ごとではありません。

身を守るために知っておきたい3つのポイントと、土砂災害の前ぶれを見ていきましょう。

土砂災害って、どれくらい起きているの?

傾斜が急な山が多く、大雨や地震も多い日本は、土砂災害が起こりやすい国土です。発生件数は、2016年から2025年までの直近10年で、年に平均およそ1,503件。2006年から2015年までの10年平均(およそ1,046件)の、約1.5倍になっています。2025年の発生件数は578件で、過去20年で最も少なかったものの、8月の大雨による被害や、火山噴火、林野火災のあとの土砂の流出など、さまざまな原因で災害が起きた年でもありました。

土砂災害のおそれがある区域は、全国で約72万区域あります(2025年12月末時点)。

土砂災害の発生件数

身を守る3つのポイント

ポイント1:住んでいる場所が「土砂災害警戒区域」か、確認しよう

土砂災害のおそれがある区域は、「土砂災害警戒区域」などに指定されています。自分の家が入っているかどうかは、市区町村のウェブサイトや、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で調べられます。市町村が作る「土砂災害ハザードマップ」を見て、避難場所と避難経路も確かめておきましょう。詳しくは、お住まいの市町村にたずねてください。

気をつけたいのは、指定されていない区域でも、土砂災害が起こることがあるという点です。近くに「がけ地」や「小さな沢」があれば、注意しましょう。

  • これまで災害がなかった場所でも、起こることがある。警戒区域の指定は、過去の土砂災害の状況をふまえ、土砂災害の9割以上をカバーするよう、地形の形や形態から決められているためです。
  • 人家がない場所は、区域の指定がない。山あいの道路など、近くに人家がない地域では、ハザードマップに危険が表示されていなくても、渓流(谷川や沢)沿いやがけ地の近くで、土石流やがけ崩れが起きるおそれがあります。大雨で避難するときは、注意が必要です。
  • 大地震や極端な大雨のときは、範囲を超えることも。特に大地震や、レベル5の土砂災害特別警報が出るような極端な大雨では、ハザードマップの範囲を超えたり、範囲と範囲のあいだの場所でも、土石流や地すべり、がけ崩れが起きることがあります。

ポイント2:雨が降り出したら、「レベル4土砂災害危険警報」に注意しよう

「レベル4土砂災害危険警報」は、大雨で土砂災害の危険度が高まったときに、都道府県と気象庁が共同で発表する防災気象情報です。警戒レベル4に相当する情報で、市町村が「避難指示」(警戒レベル4)を出す目安になります。災害の切迫度が高まっていることを示します。なお、この情報の名前は、2026年5月29日から、「土砂災害警戒情報」から「レベル4土砂災害危険警報」に変更されることになっています。

気象庁のウェブサイトや、各都道府県の砂防課のサイトで確認できるほか、テレビやラジオの気象情報でも発表されます。大雨で電波が悪くなったり、停電したりしたときのために、携帯ラジオを持っておくとよいでしょう。危険度が高まったことを、携帯電話に知らせてくれるサービスを行っている都道府県や市町村もあります。さらに、「キキクル(危険度分布)」や土砂災害の危険度の情報は、1kmから5kmの区切りごとの危険度が、気象庁や都道府県のウェブサイトで確認できます。

ポイント3:警戒レベル4までに、全員避難しよう

お住まいの地域にレベル4土砂災害危険警報が出たら、市町村の避難指示に気をつけましょう。避難指示が出ていなくても、キキクルなどを参考にして、家族や親戚、地域の人たちと声をかけあって、早めに近くの避難場所など、安全な場所へ避難します。

  • お年寄りや障害のある人など、避難に時間がかかる人は、「高齢者等避難」(警戒レベル3)に気をつけて、移動時間を考えて、早めに避難させる。
  • 夜中に大雨が予想されるときは、暗くなる前の避難が、より安全。
  • 強い雨や長雨のときは、市町村の防災行政無線や広報車の呼びかけ、緊急速報メールにも注意する。
  • 避難の時間がないときの「次善の策」:土石流が想定される区域では、その中心からできるだけ離れた、高い所へ。がけ崩れが想定される区域では、自宅の斜面と反対側の、できるだけ上の階へ。土砂災害の多くは、木造の家や、建物の1階で被害を受けています。
  • 夜の豪雨のときは、避難をためらってしまいます。ふだんから避難訓練に参加して、慣れておくと、行動を起こしやすくなります。
土砂災害から身を守る3つのポイント

こんな前ぶれに気づいたら、すぐ避難

土砂災害には、「がけ崩れ」「地すべり」「土石流」の3つがあり、起こるときは、前ぶれが現れることがあります。気づいたら、周りの人に声をかけて、すぐに安全な場所へ避難しましょう。

種類特徴主な前ぶれ
がけ崩れ急な斜面が、雨水などがしみこんだり地震でゆるんだりして、突然崩れ落ちる。崩れるまでの時間が短く、逃げ遅れて命を落とすことが多いがけにひび割れができる/小石がパラパラ落ちてくる/がけから水が湧き出る/湧き水が止まる、濁る/地鳴りがする
地すべり斜面の一部または全部が、地下水と重力の影響で、ゆっくり下へ動く。動く土の量が大きく、被害が甚大地面にひび割れ、陥没/がけや斜面から水が噴き出す/井戸や沢の水が濁る/地鳴り、山鳴りがする/樹木が傾く/亀裂や段差ができる
土石流大雨で山の斜面が崩れ、土砂が谷の土砂や水と混じって、麓へ流される。時速20kmから40kmで、一瞬で人家や畑を壊すこともある山鳴りがする/急に川の水が濁り、流木が混じり始める/腐った土のにおいがする/雨が降り続くのに川の水位が下がる/立木が裂ける音や、石がぶつかり合う音が聞こえる
土砂災害の前ぶれ

6月は「土砂災害防止月間」

毎年6月1日から30日は、「土砂災害防止月間」です。「みんなで防ごう土砂災害」をテーマに、警戒区域や砂防設備の点検、情報伝達の訓練、防災意識を高めるための啓発活動などが行われます。月間をきっかけに、自分の地域の危険な場所を確かめたり、避難場所までの道を歩いてみたりして、いざというときに備えておきましょう。

まとめ:場所を知る、情報を見る、早めに動く

土砂災害から身を守るには、「住んでいる場所の危険を知る」「雨が降り出したら警戒情報を見る」「警戒レベル4までに避難する」の3つが基本です。ハザードマップは、いまのうちに、一度、見ておきましょう。

関連記事

出典