「最近、運転がちょっと不安になってきた」。ご自身や、家族のシニアドライバーについて、そう感じたことはありませんか?
そんなときの選択肢のひとつが、運転免許証の「自主返納」です。返納したあとにどうなるのか、特典はあるのか、どこで手続きするのか、順番に見ていきましょう。
運転免許の自主返納を考えるタイミングは?
自主返納は、「安全のために運転を卒業しようかな」と考えるシニアドライバーが、有効期限が残っている運転免許証を自分の意思で返す制度です。2024年(令和6年)の運転免許の自主返納の申請件数は42万7,914件で、その6割を75歳以上が占めています。
次のようなことが若いころより増えてきたら、これからの運転について考えたり、家族で話し合ったりする時期かもしれません。
- 左右のウインカーを間違えたり、出し忘れたりする
- 歩行者や障害物、他の車に注意が向かないことがある
- カーブをスムーズに曲がれないことがある
- 車庫入れのとき、塀や壁をこすることが増えた
- 信号や標識を無視して通行することがある
- 右左折のとき、歩行者や対向車をよく見落とすようになった
加齢とともに体は変化し、若いころのような運転ができなくなって、操作ミスが起こりやすくなります。これまで安全運転を続けてきた優良ドライバーでも、これからも続けられるとは限りません。
家族が同乗しているときは、「いまのは危なかったよ」と声をかけて、本人が危険に気づけるようにしましょう。
運転免許証を自主返納すると、どうなる?
返納したあとは、申請すると「運転経歴証明書」が交付されます。過去5年間の運転経歴を証明するもので、運転免許証と同じように、公的な本人確認書類として使えます。運転免許証とちがい、更新は必要ありません。
2019年(令和元年)12月1日からは、運転免許証の更新を受けずに失効した場合でも、失効後5年以内に申請すれば、運転経歴証明書の交付を受けられるようになりました。マイナンバーカードに運転経歴情報を記録した「マイナ経歴証明書」を持つこともできます。
また、運転経歴証明書を見せると、タクシーやバスを割引運賃で使えるなど、自治体や事業者による様々な特典やサービスが受けられます。特典の内容は自治体などによって異なるので、くわしくはお住まいの自治体などに問い合わせましょう。全日本指定自動車教習所協会連合会の「高齢運転者支援サイト」でも調べられます。
「買い物や通院の足がなくなると困る」「免許証がないと身分を証明するときに不便では」という心配は、こうした支援や証明書があることで、やわらげられます。
自主返納の手続きは、どこでできる?
申請は、運転免許センターや警察署などで行えます。日曜日の申請や代理人による申請を受け付けているところもあります。本人が窓口に行くのが難しいときは、警察官や警察職員が自宅などを訪問して申請を受け付けているところもあります。
申請場所や受付時間、必要な書類、手数料などは都道府県によって異なるため、事前に運転免許センターなどに確認しておくと安心です。
自主返納の申請ができる人・できない人
- 申請できる人: 有効な運転免許証を持っている本人(一部の窓口では、代理人による申請もできます)
- 申請できない人: すでに有効期限が過ぎて失効している人、運転免許の停止・取消しの行政処分を受けている人、停止・取消し処分の基準などにあてはまる人 など
運転経歴証明書の申請ができる人・できない人
- 申請できる人: 運転免許証を自主返納した人、運転免許証の更新を受けずに失効した人
- 申請できない人: 自主返納から5年以上たった人、免許失効から5年以上たった人、交通違反などで免許取消しになった人 など
運転について相談したいときは?
高齢や病気などで運転を続けることに不安がある人や、その家族のために、全国の運転免許センターなどに「安全運転相談窓口」があります。電話でも相談できる専用ダイヤル「#8080」にかけると、かけた場所を管轄する都道府県警察の安全運転相談窓口につながります。
返納するかどうかは、すぐに決めなくても大丈夫です。まずは窓口に相談して、家族みんなで話し合ってみましょう。
制度の内容や手続き、期限は、変わることがあります。最新の情報は、この記事の末尾にある「出典」のリンク先でご確認ください。
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