前の車に車間距離を詰められたり、しつこくクラクションを鳴らされたり。運転していて、ヒヤッとした経験はありませんか?
こうした「あおり運転」は、2020年(令和2年)6月から、「妨害運転罪」として取り締まられています。1回の違反で免許取消しになることもあります。どんな行為が対象で、どんな罰則があるのか、被害にあったときはどう動けばよいのかを、まとめました。
あおり運転は、どれくらい起きている?
警察庁の「あおり運転に関するアンケート」(2019年)では、回答した運転者の35%、つまり3人に1人が、過去1年間にあおり運転の被害を経験したと答えました。場所は約77%が一般道路、約23%が高速道路です。被害の内容は、「後方からの著しい接近」が8割を超えています。
あおり運転は、重大な事故につながる、きわめて悪質で危険な行為です。高速道路で停止させられた車が、後ろから来た車に追突されて、乗っていた人が死傷する悲惨な事故も起きています。
あおり運転の罰則は?妨害運転罪の10類型
2020年に法律が改正されるまでは、あおり運転そのものを取り締まる規定が道路交通法にありませんでした。車間距離不保持や急ブレーキ禁止違反、刑法の暴行罪などが当てはまる場合に、それらが使われていました。そこで、道路交通法を改正して、「妨害運転罪」が作られました。
他の車の通行を妨げる目的で行う、次の10類型が、厳しい取締りの対象です。
- 車間距離を極端に詰める
- 急な進路変更をする
- 急ブレーキをかける
- 危険な追い越しをする
- 対向車線にはみ出す
- 執ようにクラクションを鳴らす
- 執ようにパッシングをする
- 幅寄せや蛇行運転をする
- 高速道路で低速走行する
- 高速道路で駐停車する
違反すると、どうなる?
通行を妨げる目的でこれらの違反をすると、「3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」です。違反点数は、酒気帯び運転と同じ25点で、免許取消しになります(欠格期間2年)。
高速道路で相手の車を停車させるなど、著しい危険を生じさせた場合は、「5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金」です。違反点数は、酒酔い運転と同じ35点で、免許取消しになります(欠格期間3年)。事故を起こさなくても、免許は取り消されます。
あおり運転をしないために、気をつけたいこと
ふだんは安全運転を心がけていても、焦っていたり疲れていたりすると、前を走る車にイライラすることがあります。感情のままに運転すると、自分があおり運転をしてしまうかもしれません。そんなときは、いったん深呼吸をして、心を落ち着けましょう。「思いやり・ゆずり合い」の気持ちが大切です。
- 追い越し車線を走り続けるのは違反です
- 追いつかれたら、早めに道をゆずりましょう
- 車間距離を十分にとり、急な割り込みはしないようにしましょう
- 急発進や急停車はしないようにしましょう
あおり運転の被害にあったら、どうする?
落ち着いて、次の順番で動きましょう。
- サービスエリアやパーキングエリアなど、安全な場所へ避難する。事故の危険があるので、道路上には停車せず、人目のある駐車場などへ移動します。
- 警察に110番通報する。同乗者がいるときは、同乗者が通報しましょう。
- 警察が来るまで車外に出ない。車を止めたら、ドアを必ずロックして、車内で待ちます。相手が追ってきて脅したり挑発したりしても、不用意に車外へ出ないでください。
- ドライブレコーダーなどで、相手の行為を撮影する。事前の対策としても有効です。映像や画像が残っていれば、相手が現場からいなくなっても、捜査に役立ちます。
制度の内容や手続き、期限は、変わることがあります。最新の情報は、この記事の末尾にある「出典」のリンク先でご確認ください。
関連記事
- 生活道路の法定速度が30km/hに!対象の道と標識があるときの最高速度
- 警察に相談したいけど、110番?迷ったときの「#9110」の使い方
- 道路の穴ぼこや落下物を見つけたら?「#9910」とLINE通報の使い方
出典
- 政府広報オンライン「『あおり運転』は犯罪です!一発で免許取消し!」(2025年7月22日掲載)(2026年10月25日に確認)
