役所の手続きが分かりにくい。道路の危険な場所を直してほしい。そんなとき、「どこに言えばいいんだろう?」と迷ったことはありませんか?
国の仕事や、国がかかわる仕事について、苦情や意見・要望を無料で受け付けてくれるのが「行政相談」です。この記事では、相談できることと、相談のしかたをやさしくまとめました。
行政相談って、どんな制度?
行政相談は、総務省が行っている相談の仕組みです。国や独立行政法人、特殊法人の仕事、そして国がかかわっている都道府県・市区町村の仕事について、苦情や意見・要望を幅広く受け付けています。
ポイントは、相談された役所とは「別の立場」から話を聞いてくれること。必要なときは、関係する役所に間に入って(あっせんして)くれます。解決を後押しするだけでなく、集まった声は、制度や運営を良くするためにも生かされます。
「どこの窓口に申請すればいいか分からない」「直接は言いにくい」といった相談もOKです。ひとりで抱え込まず、まず聞いてみましょう。
行政相談で相談できることは?
医療保険・年金、雇用、運輸、生活の支援など、さまざまな分野の相談に対応しています。多い分野と相談の例は、次のとおりです。
| 分野 | 相談の例 |
|---|---|
| 社会福祉 | 児童扶養手当の受給資格について教えてほしい |
| 道路 | 国道に危険な場所があるので、早く直してほしい |
| 医療保険・年金 | 国民年金や厚生年金保険の被保険者の資格要件を教えてほしい |
| 雇用 | 長時間労働を強いられている。相談先を教えてほしい |
| 運輸 | バス停の時刻表がはがれているので直してほしい |
| 窓口サービス | 申請を受け付けてもらったが、まだ決定の連絡がない |
「こうしてほしい」という要望だけでなく、「困っているけれど、どうすればいいか分からない」「関係する窓口に相談したが、説明や対応に納得できない」「制度や仕組みが分からない」といった相談も受け付けています。
行政相談で解決した事例を見てみよう
行政相談をきっかけに、身近な暮らしが良くなった例はたくさんあります。
- 郵便ポストの移設: 廃屋の軒先にあって使いにくく危険だったポストが、店舗の軒先に移されました。
- 国立病院の駐車料金: 入院する家族の世話で何度も通う人の駐車場料金について、訪問回数が多い場合は無料にする案内が始まりました。
- 堤防の補修: 下の部分が深くえぐれて崩れそうだった堤防が、補修されました。
- 横断歩道橋の撤去: 廃校になった小学校の前で、ほとんど使われず歩道を狭めていた歩道橋が撤去され、新しく横断歩道と歩行者用信号機が設置されました。
「こんな小さなこと」と思うことでも、地域の安全や使いやすさにつながることがあります。
行政相談のしかた4つ。電話・窓口・ネット・手紙
相談は無料で、秘密は守られます。決まった様式や添付書類も必要ありません。方法は4つあります。
1. 電話(行政苦情110番)
全国共通の番号は0570-090110です。いちばん近い「行政相談センター(愛称:きくみみ)」につながります。職員が対応する時間はセンターによって異なり、平日の夜間と土日祝日は留守番電話での対応です。通話料がかかり、携帯電話の無料通話や通話料割引サービスは使えません。また、内容を正しくつかむため、通話は録音されます。
2. 相談窓口に行く
都道府県庁所在地などにある「きくみみ」(全国50か所)のほか、15都市17か所のデパートなどにある「総合行政相談所」、行政相談週間を中心に市役所やショッピングセンターなどで開かれる「一日合同行政相談所」があります。災害のときは、被災した人の相談を重点的に受ける「特別行政相談所」も開かれます。事前の予約が必要な場合があるので、行く前に確認しましょう。
3. インターネット
メールフォームから、24時間365日受け付けています(回答は平日)。英語での相談もできます。検索エンジンで「行政相談受付」と調べると入口が見つかります。
4. 手紙・FAX
最寄りの「きくみみ」あてに送れます。お住まいの場所と相談内容に関係する場所が離れていても、全国の「きくみみ」が一体となって受け付けるため、遠くまで出向く必要はありません。
行政相談委員って、どんな人?
行政相談委員は、総務大臣から委嘱された、地域の民間の有識者です。無報酬のボランティアとして、苦情や要望を聞いたり、助言したり、関係する役所に改善を申し入れたりしています。全国に約5,000人いて、すべての市区町村に1人以上います。令和5年度(2023年度)には、13万5,545件の相談を受け付けました。
市区町村の役所や公民館、ショッピングセンターなどで定期的に「行政相談所」を開いているほか、2022年9月からは、オンラインやメールでも相談できます。毎年9月と10月には「行政相談週間」があり、この時期は窓口が増えるので、ちょうどよい機会です。
まとめ
- 行政相談は、国の仕事や、国がかかわる仕事への苦情・意見・要望を受け付ける無料の窓口
- 「どこに相談すればいいか分からない」という相談もOK
- 電話は0570-090110、窓口、ネット、手紙の4つの方法がある
- 身近な相談の積み重ねで、道路や施設が改善した例がある
制度の内容や手続き、期限は、変わることがあります。最新の情報は、この記事の末尾にある「出典」のリンク先でご確認ください。
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出典
- 政府広報オンライン「国の行政に関する苦情、意見・要望は「行政相談」をご利用ください」(2025年11月10日掲載。2026年10月26日に確認)
