通販サイトで注文して代金を払ったら、数日後に「商品が欠品になったので、返金します」というメールが届いた。親切な対応に見えますが、ここから先が本番、という手口があります。
返金の連絡で求められるのは、LINEの友だち追加、通話、画面共有、スマホの遠隔操作。応じると、返金どころか、お金を送ってしまうことがあります。流れと、応じてはいけない理由、困ったときの動き方を整理します。
「欠品なので返金します」から始まる手口の流れ
探している商品を、ネットで検索する場面から始まります。
- 格安の商品を見つける:限定品のゴルフバッグ、入手困難なゲーム関連グッズ、絶版の書籍など、希少性の高い商品が、店頭の価格帯やフリマサイトの相場より安く、または通常価格から大幅に値引きされて並んでいます。
- 注文して、代金を払う:氏名、住所、電話番号、メールアドレス、支払方法を入力します。支払方法は、口座振込、コンビニ払い、クレジットカード払い、PayPayなどが指定されていました。口座振込の場合は、個人と思われる名義の口座です。払ったあとは「数日以内に発送します」というメールが届きます。
- 「欠品なので返金」と連絡が来る:数日たつと、「【至急】返金手続きに関するご連絡」といった件名のメールが届きます。注文はキャンセル、返金の手続きのために、メールの二次元コードからLINEを友だち追加してほしい、という内容です。
- LINEで、不審な要求をされる:友だち追加のあとは、LINEのトークやビデオ通話を求められます。返金に必要とは思えない、「スマホを遠隔操作させてほしい」といった要求をされた人もいました。
こうした通販サイトでは、載っている所在地や連絡先がうその情報で、代金を払っても商品は届きません。返金にも応じませんでした。
返金のはずが、送金していた。実際の相談事例
寄せられた相談には、次のようなものがあります。
- 「送る」ボタンを押したら、送金になっていた:在庫切れだから、コード決済アプリで返金する、LINEを友だち登録して、と言われました。LINEの無料通話で話しながら、指示どおりにアプリの「送る」ボタンを押すと、2万円を送金したことになっていました。
- 画面共有で指示に従ったら、13万円を送金:返金は出品者に直接させる、と言われ、LINEのアカウントを追加。片言の日本語の相手から無料通話がかかり、画面の共有機能を使いながら指示に従うと、相手の指定する銀行口座に13万円を送っていました。
- 口座の暗証番号などを見られた:LINE通話で、コード決済アプリに銀行口座を登録するよう言われ、画面共有をしながら手続きをしました。あとで怪しいと思って画面共有をやめましたが、途中までの手続きは全部見られていたため、口座の暗証番号などの情報を知られてしまいました。
どの事例も、最初の注文では、他の店より安い、割引があるといった理由で、探していた商品を注文しています。「自分は引っかからない」と思っていても、探していた商品が安く見つかると、つい注文してしまうものです。
こんな連絡が来たら、応じないで
返金の連絡で、次のことを求められたら、相手の指示には従わず、手を止めましょう。
- LINEの友だち追加:返金の手続きのため、と言われても、追加しません。
- 画面共有:画面を共有すると、口座や暗証番号などの情報を知られてしまうおそれがあります。指示されても、しないようにしましょう。
- スマホの遠隔操作:返金の手続きに必要とは思えない要求です。よく知らない相手に、スマホの操作を委ねてはいけません。
- 「送る」ボタン:返金のはずなのに、自分のスマホで送金の操作をする場面が出てきたら、そこで止めましょう。
「〇〇ペイで返金します」と言われたら、詐欺を疑ってください。
注文する前に、サイトを確認しましょう
いちばんの対策は、そもそも、こうしたサイトで注文しないことです。次のものに1つでも当てはまったら、注意しましょう。
- 極端に安い販売価格になっている
- サイト内の日本語が不自然
- 日本国外のドメインが使われている(ドメインとは、URLの「https://www.○○.○○」の下線部分。「.jp」は日本のドメインです)
- フリマサイトなどの画像や説明文が転用されている
- サイト名や事業者名を検索すると、偽サイトに関する情報が出てくる
- 市場では希少なものが、このサイトでは手に入る
- 支払方法が、銀行振込や電子マネーに限られている
- 振込先の口座名義が、個人名になっている
- キャンセル、返品、返金のルールが、どこにも書かれていない
- 事業者の名称、住所、電話番号が、はっきり書かれていない
個人間の取引ではないのに、個人名義の口座への前払いの振込を指定されたら、すぐに振り込まないでください。不安なときは、家族や知人に相談して、信用できるかを慎重に考えましょう。
サイトの危険性を調べる方法として、偽ショッピングサイトの情報を確認できる「SAGICHECK」があります。ただし、すべての偽サイトが載っているわけではないので、載っていないから安全、とは言えません。
被害にあってしまったら
注文した商品が届かない、返金すると言われて送金してしまった、というときは、一人で悩まず、すぐに相談しましょう。
- 消費者ホットライン「188(いやや!)」:最寄りの消費生活センターなどを案内してもらえます。
- 警察相談専用電話「#9110」:発信地を管轄する警察本部の総合窓口につながります。
- コード決済サービスの事業者:被害にあったら、すぐに申し出て、警察にも相談しましょう。
制度の内容や手続き、期限は、変わることがあります。最新の情報は、この記事の末尾にある「出典」のリンク先でご確認ください。
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出典
- 消費者庁「限定品などの希少性の高い商品を格安で販売するかのように装った偽の通販サイトに関する注意喚起」(2026年8月4日公表、2026年10月31日に確認)
- 国民生活センター「ネットショッピング『欠品のため〇〇ペイで返金します』詐欺に引き続きご注意を!」(2025年11月18日公表、2026年10月31日に確認)
