ニュースで被災地のようすを見て、「何か力になりたい」と思ったことはありませんか?
でも、いきなり現地へ向かうのは、おすすめできません。被災地の負担を増やさず、力を発揮するには、事前の準備と、決まった受付の流れがあります。災害ボランティアの始め方を、やさしく順に見ていきましょう。
災害ボランティアって、どんな活動をするの?
大きな災害が起きたとき、見返りを求めず、自分から進んで行う被災地への支援が、災害ボランティアです。被災した地域や住民が、1日でも早く元の生活に戻れるようお手伝いすることが目的で、力仕事から事務作業、心のケアまで、さまざまな活動があります。未経験の人や、体力に自信がない人でもできる活動があります。
被害が大きく、範囲が広いほど、被災した地域の力だけでは対応がむずかしくなります。そんなとき、地域の外からの支援が必要になります。また、直後だけでなく、長い期間の支援も求められます。
必要とされることは、災害の種類や時期で変わります。たとえば東日本大震災の被災地では、はじめのうちは、がれきの撤去や泥だしなどの力仕事が中心でした。時間がたつと、ボランティアセンターの運営の手伝いや、イベント・サロン活動の支援など、人と人とのつながりを大切にした活動へと変わっていきました。
行く前の準備。まず、正確な情報を集めよう
災害が起きると、すぐに駆けつけたくなります。けれど、行く前に被災地の状況を確かめることが大切です。受け入れの体制が整っていないところへ行くと、力を発揮できないどころか、復旧作業のじゃまになることもあります。
- 全国社会福祉協議会などのSNSやウェブサイトで、最新の情報を必ず確認する
- 被災地の自治体に、直接電話をするのは避ける(職員は緊急の対応で忙しく、問い合わせの対応で手が回らなくなるため)
- 受け入れの範囲を、市町村や都道府県内の在住者などに限っている場合もあるので、社会福祉協議会のサイトで最新の情報を見る
被災地に負担をかけない、3つの準備
基本は「自分のことは自分でやる」。必要な備えを事前に整えて、自己完結で被災地に入ります。
- 持ち物のチェック:災害の種類や時期で、必要な服装がちがいます。状況に合わせて、服装と持ち物をそろえます
- 食事・宿泊先・往復の交通手段の確保:発生して間もない被災地では、物資が少なく、現地での調達はむずかしいことが多いです。できたとしても、被災した人に迷惑がかかることがあります
- ボランティア活動保険への加入:活動中の事故に備える保険です。加入には、地域の社会福祉協議会への登録が必要です。出発の前日までに手続きをすませ、証明書を持って行きましょう。お住まいの地域で加入すると、自宅から活動場所までの往復も補償の対象になります。保険は年度内有効です
被災地での活動の流れ
- 災害ボランティアセンターで受付:災害のときに、被災地の社会福祉協議会が中心になって開く拠点です。個人ボランティアの登録を受け付け、被災した人の要望と、ボランティアをつなぎます
- 出発前の説明(オリエンテーション):活動の内容や場所、注意事項の説明を受けます。そのあと、バスなどで現場へ移動します。道具や地図が用意されることもあります
- 現場で活動:被災した人の気持ちや立場に配慮して、自分の経験で判断を押しつけず、被災した人を中心にした支援を心がけます
- 報告・記録:活動のあと、進みぐあいや、被災した人のようす、気づいたことを、センターのスタッフに報告します。その情報は、次の活動に活かされます
活動中は、自分の体調にも気をつけましょう。ボランティアが体調をくずすと、被災地の負担になってしまいます。具合が悪くなったら、早めに活動をやめる勇気も必要です。暑い時期は、こまめな水分補給を忘れずに。
行けなくても、できる支援があります
- 募金:被災地でのボランティア活動のために募金することも、立派な支援です
- 買う・訪れる:被災直後の混乱が落ち着いてきたら、被災地でつくられたものを買ったり、観光で訪れたりすることも、復興の応援になります
災害ボランティアの参加は、どのくらい?
全国から多くの人が駆けつけるようになったのは、平成7年の阪神・淡路大震災からで、「ボランティア元年」とも呼ばれます。災害ボランティアセンターを通じて参加した、延べ人数の例は次のとおりです。
| 発生年 | 災害 | 延べ参加人数 |
|---|---|---|
| 平成7年 | 阪神・淡路大震災 | 約137.7万人 |
| 平成23年 | 東日本大震災 | 約154.5万人 |
| 平成28年 | 熊本地震 | 約12.1万人 |
| 平成30年 | 7月豪雨 | 約26.5万人 |
| 令和元年 | 東日本台風 | 約19.7万人 |
| 令和6年 | 能登半島地震 | 約18.7万人 |
東日本大震災は、災害ボランティアセンターを通さずに活動した人も含めると、推定で約440万人です。能登半島地震の人数には、令和6年9月20日からの大雨災害の参加者も含まれます(令和7年10月25日時点)。
被災地のニーズは、時間とともに変わります。一度きりでなく、息の長い支援が求められています。
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出典
- 政府広報オンライン「被災地を応援したいかたへ 災害ボランティア活動の始めかた」(2026年10月24日に確認)
