太陽光発電や蓄電池の機器は、いまや、インターネットにつながっています。それだけに、サイバー攻撃の対象にもなります。
そこで、2027年から、太陽光発電のパワーコンディショナ(パワコン)などに、「JC-STAR」というセキュリティの認証を取った製品を使うことが、求められるようになります。この記事では、その内容を、やさしくまとめました。
JC-STARって、なに?
JC-STAR(セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度)は、インターネットにつながる製品(IoT製品)のセキュリティの機能を、共通の基準で評価して、適合した製品に、適合ラベルをつける制度です。メーカーが製品のセキュリティ対策をアピールしやすくなり、買う側も、対策が適切かを判断しやすくなります。
★1〜★4のレベル
- ★1:IoT製品に共通する、最低限のセキュリティの要件です。メーカーが自分で宣言します。
- ★2:★1に加えて、製品の種類ごとの基本の要件です。メーカーが自分で宣言します。
- ★3・★4:政府機関や重要なインフラ事業者などでの利用を想定したレベルです。独立した第三者が評価します。
★1と★2は、メーカーの自己評価の結果を提出して、ラベルがつきます。ラベルは、決められた基準で、最低限の水準を満たしていることを確かめるものです。完全なセキュリティを保証するものではありません。
太陽光発電で、何が求められるの?
分散型電源(太陽光、蓄電池など)のサイバーセキュリティ対策を強めるために、一般送配電事業者(地域の電力会社の送配電の会社)の「系統連系技術要件」が、2026年度内に改正される予定です。2027年4月以降、次の設備に使うIP通信の機能を持つ機器について、一般送配電事業者への契約の申込みのときに、新しく設置する機器や取り替える機器に、JC-STAR★1を取った機器を使うことが求められます。
- 対象の設備:太陽光発電、蓄電池、風力発電、燃料電池
- 対象の機器:パワーコンディショナ(PCS)、BMS、EMSなどの出力制御装置、遠隔監視装置、ゲートウェイなど
いつから?
| 電源の種類 | 特別高圧・高圧 | 低圧 |
|---|---|---|
| 太陽光発電 | 2027年4月 | 2027年10月 |
| 蓄電池 | 2027年4月 | 2027年10月 |
| 風力発電 | 2027年4月 | — |
| 燃料電池 | 2028年4月 | — |
燃料電池は、PCSを使う形式が対象です。
すでにある設備は、どうなる?
- すぐに、つなげなくなるわけではありません。2027年3月末までに、契約の申込みが終わっている設備や、すでにある設備で、すでに使われている機器には、新しい要件はさかのぼって適用されません。
- 機器を交換するときは、JC-STAR★1の取得製品が、原則として求められます。2027年4月以降に、すでにある設備の機器をIP通信の機能を持つ機器に交換するときは、交換する機器が対象です。一部の機器だけを交換する場合、交換しない既設の機器には、この要件は適用されません。
- 交換には、手続きが必要です。2027年4月以降、機器を交換するときは、接続検討の申込みが必要です。同じ機器への交換でも、「軽微な変更」にはなりません。
- 例外があります。取得製品への交換が、事業者にとって過度な負担になる場合は、地域の一般送配電事業者に相談して、計画書を出すことを条件に、取得していない同じ型の製品への交換と、当面の間の使用が認められます。
自宅の太陽光発電は、対象になるの?
この要件が、家庭用(住宅用)の設備を、どこまで含むのかは、公表されている情報からは、はっきり読み取れません。気になる人は、販売店・施工店や、地域の一般送配電事業者に、確かめましょう。パワコンを交換するときは、JC-STARの適合ラベルがある製品かも、聞いてみるとよいでしょう。
ラベルがある製品は、どう調べる?
適合ラベルを取った製品は、IPAのサイトの「適合ラベル取得製品リスト」で、確かめられます。ラベルについている二次元バーコードから、製品の詳細や、セキュリティの情報も見られます。「JC-STAR適合予定」「申請中」といった表示は、認められていません。
まとめ:パワコンを選ぶときは、ラベルも確認
2027年から、太陽光発電や蓄電池の、インターネットにつながる機器には、JC-STAR★1の取得製品が求められます。すでにある設備には、さかのぼって適用されませんが、機器を交換するときは、原則として取得製品が必要です。設備を新しくするときは、ラベルを確かめましょう。
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出典
- 電力分野のサイバーセキュリティについて|資源エネルギー庁(2026年10月24日に確認)
- セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)|IPA(2026年10月24日に確認)
