★ 2026-10-18 デジタルの安全

メールを盗み読みされた?パスワード付きzipの落とし穴も。メールの2つの事例(総務省)

メールを盗み読みされた?パスワード付きzipの落とし穴も。メールの2つの事例(総務省)

メールは、毎日のように使うものだけに、ちょっとした油断が、思わぬトラブルにつながります。「読んでいないメールが、なぜか既読になっている」「パスワードを別のメールで送ったのに、書類が広まってしまった」……。

この記事は、総務省の「国民のためのサイバーセキュリティサイト」にある2つの事例(メールが他人に読まれている?/暗号化して送ったはずが……)と、パスワードについての解説をもとにまとめました。どちらも、「ありそう」と思える身近な話です。

事例1:メールが、他人に読まれている?

Eさんは、同僚のF君に、こう言われて驚きました。「Eさん、温泉はどうだった?」。週末の旅行は急に決まったので、会社ではまだ誰にも話していません。思い返せば、前にも、誰にも話していないことをF君が知っていて、不思議に思ったことがありました。

そういえば、読んでいないはずのメールが、既読になっていたこともありました。もしかして、F君にメールを盗み読みされているのでは……。

こうした「他人にメールを読まれてしまう事件」は、頻繁に起きています。メールは、ユーザーIDとパスワードだけで読めることが多いので、何らかの方法でパスワードを手に入れれば、他人のメールを読むのは、それほど難しくありません。多くは身近な人によるものですが、好きな芸能人のメールのパスワードを推測して、盗み読みした事件もあります。

事件の中には、パソコンの設定を手伝ってもらったときにパスワードを教えて、そのあとも変えていなかった、簡単に推測できるパスワードを使い続けていた、など、使う人の不注意が原因のものもあります。

対処法と、予防のしかた

  • パスワードを変更する。気づいたら、すぐに、安全なパスワードに変えましょう。
  • 調査を依頼する。職場の場合は、システム管理者に頼んで、自分のメールアカウントに不正アクセスがないか確認してもらいます。
  • 予測されにくいパスワードにする。これが予防の基本です。
メールを盗み読みされたときの対処

「安全なパスワード」「危ないパスワード」って?

まず、安全なパスワードとは、どんなものでしょう。

安全なパスワードとは、他人に推測されにくく、ツールなどでも割り出しにくいものです。理想は、最低でも10文字以上の、ランダムな英数字の並びで、数字や記号、アルファベットの大文字と小文字を混ぜること。ただ、覚えなければならないときは、関係のない(文章にならない)英単語をいくつかつなげて、間に数字を入れると、推測されにくく、覚えやすいパスワードになります。スマホやWebブラウザには、パスワードを作る機能があるので、うまく使いましょう。

逆に、危険なパスワードには、次のようなものがあります。

危険なパスワード例
IDと同じ文字列(IDそのまま)
自分や家族の名前、電話番号、生年月日、住所などyamada、tanaka、09011112222、19960628 など
車のナンバー3470、1297 など
辞書にある一般的な英単語ひとつだけpassword、baseball、soccer、monkey、dragon など
同じ文字の繰り返し、わかりやすい並びaaaa、0000、abcd、123456、abc123、asdf、qwerty など
短すぎる文字列gfps など

このほか、郵便番号や社員コード、人に一度でも教えたことのあるパスワードなど、他人から推測しやすい情報は避けましょう。

パスワードの保管と、使い回し

  • パスワードは、同僚などに教えず、秘密にする。
  • パスワードを、メールでやりとりしない。
  • メモをディスプレイなど、人の目に触れる場所に貼らない。やむを得ずメモしたら、鍵のかかる机や金庫で保管する。
  • サービスごとに、別のパスワードにする(使い回さない)。パスワード管理ツール(スマホやブラウザの機能、専用アプリ)も、使えます。マスターパスワードや、端末の生体認証などで守りましょう。

なお、パスワードの「定期的な変更」は、不要とされています。乗っ取られたり、サービスから流出した事実がなければ、変える必要はありません。定期的に変えるようにすると、パスワードの作り方がパターン化して簡単になったり、使い回しをしたりするほうが問題だからです。流出したときは、すぐに変えましょう。

事例2:暗号化して送ったはずが……

もうひとつの事例です。Xさんは、重要な書類をメールに添付して送りました。書類は「パスワード付きzipファイル」にして、あとから別のメールで、解凍用のパスワードを送りました。ところが、しばらくして、その書類が、SNSで広まっていることに気づきます。確認すると、添付ファイルつきのメールと、パスワードを送ったメールの、どちらの宛先にも、間違ったメールアドレスが入っていました。

「パスワード付きzipファイルを送ってから、別のメールでパスワードを送る」方法は、誤送信の対策として、いまでも多く見られます。一見安全に見えますが、パスワードのメールも、同じ間違った宛先に送ってしまうケースが多く、本質的には有効とはいえない、といえます。

こうなってしまったら

  • SNSなどに、不正に公開されてしまったら、サービスの運営者に削除を依頼する。
  • 間違った宛先に送ってしまったら、受け取った人に、ファイルの削除を依頼する。

防ぐために

  • クラウドストレージを使う。メール添付をやめて、クラウドストレージで受け渡す方法も考えましょう。リンクを誤送信しても、権限がなければ見られない機能を持つサービスもあります。
  • パスワードは、メール以外で伝える。メールでパスワードを送らなければ、この事例は防げます。あらかじめパスワードのルールを決めておいたり、電話など、メール以外の手段で伝えたりすることを考えましょう。
  • 第三者のチェックを必須にする。社外に添付ファイルつきメールを送るときは、別の人に確認してもらってから送りましょう。
ファイルを安全に送る3つの方法

まとめ:メールは「宛先」と「パスワード」の確認から

メールは便利ですが、「パスワードの管理」と「宛先の確認」の、2つの油断が事故のもとです。パスワードは推測されにくくして、人に教えない。大切なファイルを送るときは、受け渡しの方法を、もう一度考える。今日から、できるところから見直してみましょう。

危険なパスワードの例

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出典