日本でも、屋根の上や野原で、太陽光パネルを見かけるようになりました。では、世界では、太陽光発電は、どれくらい広がっているのでしょうか。
この記事では、国際エネルギー機関(IEA)の太陽光発電の研究協力プログラム(PVPS)がまとめた、世界の導入状況を、やさしくまとめました。最新の集計は、2024年末のものです。
世界の導入量は、2,246GW
- 新しく導入された量(2024年):約602GW
- これまでの累積:2,246GW(前の年から36.6%の増加)
- 電力に占める割合:太陽光発電による電気が、初めて、世界の電力消費量の10%以上を占めました。
- 導入が進んだ国の数:34か国が、2024年に1GW以上を導入しました。23か国が、累積10GW以上に達しました。
2023年の累積は1.6TW(1,600GW)でしたが、2024年には2.2TW(2,200GW)を超えました。パネルの価格が下がり続ける中でも、導入は、記録的な規模になりました。なお、導入量は、すべて直流(DC)の容量で表されています。
国別のランキング(2024年)
| 順位 | 2024年の1年間の導入量 | 累積の導入量 |
|---|---|---|
| 1 | 中国 357.3GW | 中国 1,048.5GW |
| 2 | 米国 47.1GW | 米国 224.1GW |
| 3 | インド 31.9GW | インド 124.6GW |
| 4 | パキスタン 17.0GW | ドイツ 99.8GW |
| 5 | ドイツ 16.7GW | 日本 96.9GW |
| 6 | ブラジル 14.3GW | ブラジル 52.1GW |
| 7 | スペイン 7.5GW | スペイン 47.2GW |
| 8 | イタリア 6.6GW | オーストラリア 38.6GW |
| 9 | フランス 5.9GW | イタリア 37.0GW |
| 10 | 日本 5.5GW | 韓国 31.7GW |
欧州連合(EU)は、まとめて集計され、1年間で62.6GW、累積で339.4GWです。上の表は、EUを除いた、国ごとの順位です。
日本は、どこにいる?
日本は、累積では、中国、米国、インド、ドイツに次ぐ5番目です。一方、2024年の1年間の導入量は5.5GWで、上位10か国の10番目でした。累積は大きい国ですが、新しい導入のペースは、他の国に比べて、ゆるやかになっています。
なお、日本の導入量は、資源エネルギー庁の資料では、2024年度末で7,985万kWです。この数字が、上の96.9GWと違うのは、集計の基準が異なるためです(IEAの集計は直流の容量)。
市場の特徴
- 電力会社向けの大型の発電所が、3分の2以上。世界の新しい太陽光発電の、3分の2以上が、電力事業用でした。
- 家庭や事業所の屋根も、成長を続けている。住宅用や業務用の屋根の設置は、引き続き成長しました。
- 新しい設置のしかたも、広がっている。貯水池などの水の上に置くもの、農地の上で作物と両立させるもの、高速道路や鉄道沿いの細長い土地に置くものなどです。
- 中国が、製造で圧倒的。世界の太陽電池の製造は、中国が引き続き主導していて、供給が余り気味で、記録的な低価格になっています。
各国が直面している課題
- 出力抑制と、送電網の混雑。導入が進むと、昼間の電気が余り、発電を止める(出力抑制)ことが、増えます。
- 製造の偏り。中国が製造を支配している一方で、ほかの国の製造業者は、苦戦しています。
- 人材の不足。急速な普及に、技術者を育てる速さが、追いついていません。
- データの不一致。直流と交流の比率、リサイクルした設備、止まった設備などの扱いが、国によって異なります。
各国の政策の動き
- 固定価格買取制度:太陽光の発電コストが下がって競争力が高まったため、多くの市場で、段階的に廃止されています。
- ネットメータリング・ネットビリング:家庭や事業所の電気の差し引きを支える制度です。
- 電力購入契約(PPA):大規模な設備や業務用の導入に、向いたモデルとして、広がっています。
- 屋根設置の義務化:特にEUとアジア太平洋で、新築の建物向けに導入されつつあります。
- 蓄電の支援:導入が進んだ地域で、系統の混雑や出力抑制をやわらげるために、整えられています。
今後の見通し
太陽光発電は、蓄電システムや電気自動車、需要側の調整の工夫と、いっそう組み合わされていくと見込まれています。各国は、国内での製造、技術者の育成、強いサプライチェーンづくりのほか、使い終わったパネルの処理にも力を入れています。
まとめ:世界では、年に600GW規模の導入
世界の太陽光発電は、2024年に約602GWが新しく導入されて、累積は2,246GWになりました。日本は、累積では5番目ですが、新しい導入のペースは、10番目です。世界でも日本でも、課題は、電気が余る時間の対策、リサイクル、そして人材です。
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出典
- Snapshot of Global PV Markets 2025(PVPSファクトシート 日本語版、2025年6月)|IEA PVPS(2026年10月24日に確認)
- 太陽光発電|再エネとは|なっとく!再生可能エネルギー|資源エネルギー庁(2026年10月24日に確認)
