大きな地震のとき、遠く離れた場所の高層ビルで、船に乗っているような揺れを感じた、という話を聞いたことはありませんか?震度は小さいのに、高いビルの上のほうでは、大きく、長く揺れることがあります。
それが「長周期地震動」です。どんな揺れで、緊急地震速報が出たら、どう動けばいいのか。マンションや商業ビルにいるときの行動と、備えをまとめます。
長周期地震動って、どんな揺れ?
揺れが1往復するのにかかる時間を、「周期」といいます。地震が起きると、さまざまな周期の揺れが生まれます。ガタガタと小刻みに揺れる、周期の短い揺れのほかに、大きな地震では、船に乗っているような、周期の長い揺れが起きます。これが「長周期地震動」です。
3つの特徴
- マグニチュードが大きいほど、大きくなる。とくに、震源が浅くて大きな地震ほど、起きやすくなります。
- 数百キロ離れた場所でも、大きく長く揺れる。周期の短い揺れより、弱まりにくく、遠くまで伝わります。
- ビルの高層階ほど、揺れやすい。建物には、それぞれ揺れやすい周期(固有周期)があり、地震の周期と一致すると「共振」して、大きく揺れます。震度が小さくても、高層階で大きな揺れになることがあります。
どんなことが起きるの?
周期の短い揺れでは、一戸建てや低層の建物が強く揺れますが、数秒から数十秒で収まるのが、ほとんどです。長周期地震動では、高層ビルが長い時間、大きく揺れ続けることがあります。建物に大きな変形が生じたり、高層階で家具が倒れたり、大きく動いて、人にぶつかったりする危険があります。
2011年の東北地方太平洋沖地震では、東京23区(最大震度5強)の高層ビルで、天井の落下、スプリンクラーの故障、エレベーターの障害などが起きました。震源から約700km離れた大阪市(最大震度3)のビルの高層階でも、エレベーターが止まって閉じ込められる事故や、内装材・防火扉の破損などがありました。
「震度」では、わからない。「長周期地震動階級」
震度は、原則として、地表や低層の建物の1階に置いた震度計で測った値なので、高層階の揺れの大きさは、表せません。そこで、「長周期地震動階級」という、別の指標が使われます。階級は、1から4までの4段階です。
緊急地震速報が出たときの行動
2023年2月から、「最大震度5弱以上」の予想で、震度4以上の地域に出す緊急地震速報に加えて、「長周期地震動階級3以上」を予想した地域にも、緊急地震速報が出されるようになりました。震源に近い地域に出たあと、長周期地震動が予測される別の地域に、追加で出ることもあります。
高層ビルで働いたり、高層階に住んだりしていなくても、高層の商業ビルへ買い物に行ったときなどに、揺れにあう可能性があります。緊急地震速報を見聞きしたら、まずは、安全な場所で身を守りましょう。慌てて逃げると、落ちてくるものや、倒れる家具に巻き込まれて、危険です。
マンションの室内で
- 頭を守って、固定された丈夫な机の下などの、安全な場所に避難する
- 大きな揺れで飛ばされないように、体勢を低くする
- 無理に火を消そうとしない
商業ビルや大きなお店で
- 安全な場所で、頭を守り、揺れに備えて、安全な姿勢をとる
- 吊り下がっている照明の下から離れる
- あわてて、出口や階段に殺到しない
- 施設の係員や館内アナウンスの指示があれば、従う
エレベーターの中で
- 最寄りの階で止めて、すぐに降りる
- 移動のときは、絶対にエレベーターを使わない
備えておきたいこと
マンションやオフィス、商業ビルでは、震源から遠く離れていても、長周期地震動の揺れが来ることがあります。事前に、安全な場所を確認して、地震が起きたときの動き方を決めておくことが大切です。家具やオフィス機器の固定も、見直しましょう。
- 寝る場所の近くには、できるだけ家具を置かない
- 背の低い家具にする
- キャスター付きの家具は、キャスターロックで動かないようにする
- 棚に収納するときは、重い物を下にする
- 本棚には、本が落ちてこないように、落下防止バーをつける
- 吊り下げ式の照明は、ワイヤーで固定する
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出典
- 政府広報オンライン「ビルの高層階を大きく揺らす『長周期地震動』緊急地震速報に追加!」(2022年11月25日掲載)(2026年10月25日に確認)
