家の屋根に太陽光発電を付けたら、どれくらい発電するのでしょうか。同じ大きさのパネルでも、屋根の向きや傾き、まわりの影で、発電量は変わります。
この記事では、屋根の向きと傾き、影、家庭の電気をどれくらいまかなえるか、そして、北向きの屋根で気をつけたい「反射光」を、やさしくまとめました。
屋根の向きと傾き。目安は「南向き・約30度」
太陽電池のパネルに当たる日射量は、設置する向きで変わるので、発電量も変わります。向きとしては南向きがいちばんよいのですが、ほかの向きにも設置できます。
傾きによっても、発電量は大きく変わります。東京の計算では、1年を通じて日射量がいちばん大きくなるのは、真南で、約30度の傾きのときです。
北向きの屋根に付けるときは、ほかの向きより発電の出力が少なくなります。さらに、条件によっては、パネルの反射光が近所の家に影響する可能性が高くなるので、注意が必要です。
影は、どれくらい影響する?
パネルには、なるべく影がかからないようにすることが大切です。
- 薄い影(山、ビル、木、電柱、テレビのアンテナなど)。発電量は下がりますが、まわりからの散乱光で、ある程度は発電します。
- 落ち葉など、光を通さないものがパネルの表面に貼りついたとき。その物の影の分より、さらに発電量が下がります。
その状態が長く続くと、光がさえぎられた部分のセルが高温になって、性能が下がる「ホットスポット現象」が起こることがあります。ふつうは、パネルの内部にバイパスダイオードという部品がついていて、この現象を避けるしくみになっています。パネルに落ち葉などが貼りついているのを見つけたときは、自分で屋根に上らず、販売店や施工店に相談しましょう。
家の電気は、どれくらいまかなえる?
太陽光発電は、夜には発電しないので、家の電気の全部はまかなえません。それでも、1年間の電力量だけを見れば、目安は計算できます。
- 設置容量1kWあたり、1年間の発電量は、約1,000kWh(水平から30度傾けて、真南に向けた場合の計算例)。
- 屋根に4kWの設備を付けると、1年間に4,000kWh程度の発電が期待できます。
- 一般家庭の平均の年間電力消費量を4,892kWhとすると、1年間に必要な電力量の約82%をまかなえる計算になります。
この数字は、地域や、パネルの向き、傾きで変わる計算例です。また、年間の推定発電量には、影、積雪、年数がたったことによる低下、出力制御などの影響は、含まれていません。実際の発電量は、これより少なくなることがあります。
北向きの屋根では、反射光に注意
最近は、屋根の広さの都合で、北向きの屋根にパネルを付ける例も見られます。そのときは、近所の家に「反射光」が差し込むおそれがあるので、設置するときは、反射光の影響も考える必要があります。
パネルのガラスは、光が当たる角度が浅くなると、反射する割合が急に大きくなります。日本の住宅の屋根の角度は、ふつう3〜6寸勾配で、角度にすると16〜31度ほどです。東京付近の太陽の高さは、30〜78度の間で大きく変わるので、南向きの屋根では、日光は、一般に、空の方向に反射されて、地面の方向への反射光は出にくいとされています。
設置を考えるときは
屋根の向き、傾き、まわりの建物や木の影、近所の家との位置関係は、施工業者に、設置の前に、相談しておきましょう。設置のあとも、パネルに落ち葉などがたまっていないか、発電量が落ちていないかを、日ごろから、見ておきます。点検の目安は、家の太陽光発電に点検は必要?の記事をご覧ください。
まとめ:向き・傾き・影を、設置の前に確かめる
発電量は、屋根の向き、傾き、影で変わります。目安は、南向き・約30度です。4kWで年間約4,000kWhという計算例も、あくまで目安で、影や年数による低下は含まれていません。北向きの屋根は、反射光にも注意しましょう。
関連記事
- 太陽光発電をまとめて知る。仕組み・お金・法律・災害・設置の記事ガイド
- 家の太陽光発電に点検は必要?所有者の責任と日常点検の目安、勧誘の注意
- 太陽光発電の売電価格はいくら?住宅用は2026年度、最初の4年が24円
出典
- 設置方位や設置角度の影響はありますか?|太陽光発電協会(JPEA)よくあるご質問(2026年10月24日に確認)
- 陰の影響はありますか?|太陽光発電協会(JPEA)よくあるご質問(2026年10月24日に確認)
- 太陽光発電により、家庭で使用する電気を全部まかなえますか?|太陽光発電協会(JPEA)よくあるご質問(2026年10月24日に確認)
- 太陽電池モジュールの反射光は問題になりますか?|太陽光発電協会(JPEA)よくあるご質問(2026年10月24日に確認)
- 太陽光発電システムの反射光トラブル防止について(2010年3月12日)|太陽光発電協会(JPEA)(2026年10月24日に確認)
- 太陽光発電協会 表示ガイドライン(2021年度)|太陽光発電協会(JPEA)(2026年10月24日に確認)
