屋根に太陽光パネルを付けているご家庭、これから付けようか考えているご家庭は多いですよね。電気代の節約になる一方で、事故も毎年起きています。
台風や地震のあとは、とくに気をつけたい時期です。「何を見ればいいの?」「壊れたパネルを見つけたらどうするの?」という疑問に、順番に答えていきます。
事故は、どれくらい起きているの?
製品事故情報では、2015年度から2024年度までの10年間に、太陽電池発電設備の事故が260件ありました。そのうち約9割にあたる239件が火災です。近年は、事故の件数が上昇傾向にあるとされています。
事故があった設備ごとの内訳は、次のとおりです。
| 設備 | 事故の件数 |
|---|---|
| パワーコンディショナ | 170件(約7割) |
| 太陽電池モジュール(パネル) | 41件(2割弱) |
| 接続ケーブル | 18件 |
| 蓄電池 | 14件 |
| その他の設備 | 17件 |

パワコンとパネル、どんなふうに燃えるの?
設備の名前は、次のような意味です。
- 太陽電池モジュール:太陽光を電気(直流)に変えるパネル。太陽光パネル、ソーラーパネルとも呼ばれます。
- パワーコンディショナ:パネルでつくった直流の電気を、家で使える交流に変える装置。余った電力を電力会社に売るための制御も、ここで行います。屋内に付けるタイプと屋外に付けるタイプがあります。
- 接続箱(集電箱):屋根に並べた複数のパネルの配線を1つにまとめて、パワーコンディショナに電気を送る装置です。
パワーコンディショナの事故は、施工不良によるものを除くと、設置した場所の温度、湿度、水分、ほこりなどが原因で、電気回路の基板が「トラッキング現象」を起こして煙が出るケースが多いそうです。トラッキング現象とは、付着したほこりや水分で電気の通り道ができ、異常に熱くなる現象のことです。
パネルの場合は、飛んできた物などが当たって破損し、電気の流れに異常が出て熱を持ち、パネルの裏の端子ボックスから配線や接続箱へと火が広がった例があります。
実際にあった事故の例
- 2017年10月(広島県):屋内用のパワーコンディショナから煙が出て、出火しました。台風の影響による雨漏りで雨水が本体に入り、基板の上でトラッキング現象が起きたと推定されています。
- 2020年8月(兵庫県):倉庫で火災が発生しました。飛んできた物がぶつかった衝撃でパネルの強化ガラスや内部のセルが傷み、発電できないセルを避けるための「バイパスダイオード」も故障していたため、傷んだセルに電気が流れて焼け、火災になったと推定されています。
- 2022年4月(岡山県):パネルから屋根の防水シートと野地板に燃え広がる火災が発生しました。設置台のレールにケーブルが挟まって傷み、異常に熱くなって出火したと推測されています。発電の状況を離れた場所から見られるサービスが付いていて、約4年前から異常の兆候があったものの、施工店がマニュアルで決められた点検をしていませんでした。
事故を防ぐ、7つのポイント
事故を防ぐポイントを、家の人(ユーザー・所有者)ができることを中心に整理しました。
- ① 発電モニターをこまめに見る:前年の同じ月の発電量と比べると、事故の前触れに気づける場合があります。台風のあとにパネルが傷んだときも、その後の発電量が大きく変わっていたら、異常の可能性があります。販売店・工務店・メーカーに相談しましょう。
- ② パワコンや接続箱の周りを見る:屋外に付けている場合は、雨やほこり、虫が入りやすい状態になっていないか確認します。見える範囲で、外観の異常、異音、異臭がないかもチェックします。新しく付けるときは、雨や湿気、ほこりの多い場所にならないよう、施工業者と事前に打ち合わせましょう。
- ③ 定期点検を受ける:設置後1年目、その後は住宅用なら4年に1度の点検が推奨されています。点検項目は、設置後の年数や使用状況で変わるので、販売店・工務店・メーカーなどに相談します。
- ④ 寿命を知っておく:パネルは20年以上、パワーコンディショナは10〜15年といわれています。パネルと同じ感覚で長く使い続けると、基板や電子部品の劣化で事故の起きる率が高くなります。交換時期に注意しましょう。
- ⑤ 壊れた設備には近づかない:破損や浸水をしていても、光が当たれば発電することがあり、破損した場所やケーブルに触ると感電するおそれがあります。むやみに近づかないでください。
- ⑥ 連絡先を決めておく:壊れたときにすぐ連絡できるよう、販売店・工務店・メーカーなどの連絡先を、あらかじめ確認しておきましょう。
- ⑦ 新しく付けるときは基準を守る:出力10kW未満の住宅用でも、電気事業法で技術基準に合わせる義務があります。基準に合っていないと認められると、所有者などに適合を命じられる場合があります。立入検査を受けることもあるので、ふだんから適切な管理を心がけましょう。

パネルや設備が壊れているのを見つけたら
壊れた設備はとても危険で、けがや感電のおそれがあります。見つけても、むやみに近づかないでください。対処は、電気工事士や、販売施工業者など電気の知識がある人が行うものとされています。関係者以外が不用意に立ち入らないようにする、壊れた設備が飛び散らないようシートで覆うなど、二次被害を防ぐ対策も、施工業者に求められています。ご家庭では、あらかじめ決めておいた連絡先に、すぐ連絡しましょう。

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出典
- NITE(製品評価技術基盤機構)「住宅用の太陽電池発電設備の事故に注意」(2025年8月29日発表)(2026年10月16日に確認)
