広島AIプロセスって、なに?AIの国際ルールと、日本のガイドライン更新

広島AIプロセスって、なに?AIの国際ルールと、日本のガイドライン更新

ChatGPTやGeminiのような生成AIが広がるなか、「AIのルールは、国や会社ごとにバラバラなの?」と気になったことはありませんか?

この記事では、世界でAIのルールを話し合う枠組み「広島AIプロセス」と、日本の取り組みを、まとめました。

広島AIプロセスって、どんな取り組み?

生成AIが急速に発展し、広がっていることは、国際社会全体にとって大事な課題です。そこで、広島サミットで、生成AIの国際的なガバナンス(統治のしくみ)を話し合う「広島AIプロセス」が立ち上がりました。

2023年5月以降、G7で集中的に議論を行い、9月に「G7広島AIプロセス デジタル・技術閣僚会合」を開いて、中間的な成果をまとめました。その後、12月に再び閣僚会合を開き、日本が議長国のもとでの成果として、次の2つをとりまとめています。

  • 生成AIなどの高度なAIシステムの開発・利用に関する、初の国際的な政策枠組み「広島AIプロセス包括的政策枠組み」
  • G7の今後の取り組みを示した「広島AIプロセスを前進させるための作業計画」

これらの成果は、同じ月に出されたG7首脳声明で承認されました。なお、政策枠組みは、OECDのレポート、すべてのAI関係者向けと高度なAIシステムを開発する組織向けの国際指針、開発する組織向けの国際行動規範、プロジェクト・ベースの協力の4つで構成されています。

広島AIプロセスの歩み

「報告枠組み」で、AI開発者が自分で報告

2024年は、G7議長国のイタリアが、広島AIプロセスの推進を続けると表明しました。3月に採択された閣僚宣言では、生成AI開発の透明性と説明責任を高めるため、「国際行動規範」をどれだけ守っているかを、AI開発者が自主的に報告・公表する「報告枠組み」を開発・導入することで合意しています。

12月に、報告枠組みの基本的な運用方法と質問票の最終版に各国が合意し、2025年2月に、正式に運用が始まりました。同年4月には、日本企業7社を含む19組織が最初の回答を出し、OECDのウェブサイトで公表されています。

2025年のG7カナダ議長国のもとでは、広島AIプロセスの成果を土台に、信頼できるAIの導入に焦点を当てた「中小企業におけるAI導入のためのツールキット」も作られました。

「フレンズグループ」で、仲間の国を広げる

2024年5月のOECD閣僚理事会では、広島AIプロセスの考え方に賛同する国々の自発的な枠組み「広島AIプロセス・フレンズグループ」が、49の国・地域の参加で立ち上がることが発表されました。2025年2月には初めての対面会合が開かれ、その後も、定期的なオンライン会合と、年1回ほどの対面会合が行われています。

賛同する民間企業や国際機関などが参加する「広島AIプロセス・パートナーズコミュニティ」も、活動を支えています。

日本のルール「AI事業者ガイドライン」も更新

国内のAIガバナンスについては、AIの安全・安心な活用を進めるため、統一的な指針「AI事業者ガイドライン」が、2024年4月に第1.0版として公表されました。2025年3月には、国内外の動向を踏まえて、第1.1版に更新しています。

さらに、AIエージェントなどの技術の動向、広島AIプロセスなど国際的な議論、2025年9月に全面施行された「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(令和7年法律第53号)などを踏まえて、2026年3月に第1.2版へ更新されました。

日本のAIガバナンスの動き

AIそのものを守る「セキュリティ指針」

AIが広がるにつれて、AI自体がサイバー攻撃を受けるリスクも心配されています。たとえば、AIから不正な出力が行われたり、AIを組み込んだシステムが止まったりすると、社会や経済の活動に大きな影響が出かねません。

そこで、2025年9月から、サイバーセキュリティタスクフォースの下に「AIセキュリティ分科会」がつくられ、AI開発者とAI提供者が取るべき、技術的な対策が検討されました。2026年3月には、取りまとめを踏まえて、「AIのセキュリティ確保のための技術的対策に係るガイドライン」を策定・公表しています。

あわせて、NICTの「AIセキュリティ研究センター(CREATE)」を通じて、北米の5組織と共同研究を行い、AI自身のセキュリティを調べる研究開発を進めています。生成AIを安心・安全に使えるようにするための取り組みです。

AIのセキュリティ確保のための指針

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出典