「信頼できるAI」とは?10の原則と、AIを過信も不信もしない心がまえ

「信頼できるAI」とは?10の原則と、AIを過信も不信もしない心がまえ

「信頼できるAI」という言葉を、聞いたことはありますか?AIは便利ですが、使う私たちの側が「どこまで任せていいのか」を考えないと、役に立つどころか、損をすることもあります。

人間とAIが健全に協力し合う社会について、国際的な考え方と日本の原則を整理しました。ここでは、その要点を紹介します。

「信頼できるAI」ってどんなAI?

OECD(経済協力開発機構)は、「信頼できるAI」を次のようなAIシステムだと位置づけています。OECDのAI原則を体現していて、人権とプライバシーを尊重し、公平性、透明性、説明可能性、頑健性、安全性、セキュリティを備えたもの。さらに、開発や利用にかかわる人が説明責任を負うもの、という考え方です。

日本の「人間中心のAI社会原則」と3つの基本理念

日本では、2016年に「8項目の原則」が示されたあと、2019年に「人間中心のAI社会原則」が示されました。AIを人類の共有財産として活用し、社会のあり方を質的に変えていくことが大切だとして、次の3つが「基本理念」です。

  • 人間の尊厳が尊重される社会(Dignity)
  • 多様な背景を持つ人々が、多様な幸せを追求できる社会(Diversity & Inclusion)
  • 持続可能な社会(Sustainability)
人間中心のAI社会原則の3つの基本理念

AI事業者ガイドラインの「10の原則」

これらの理念を実現するため、「AI事業者ガイドライン」では、各主体が心に留めておくべき原則が「共通の指針」として整理されています。

分類原則
各主体が取り組む事項(7つ)1)人間中心 2)安全性 3)公平性 4)プライバシー保護 5)セキュリティ確保 6)透明性 7)アカウンタビリティ
社会と連携した取組が期待される事項(3つ)8)教育・リテラシー 9)公正競争確保 10)イノベーション
  • 人間中心:AIが人々の能力を広げ、多様な人々の多様な幸せ(well-being)を追求できるように行動すること。
  • 安全性:AIシステム・サービスの出力の正確性も含めて、求めに対して十分に動作している(信頼性)こと。

このガイドラインでは、すべてのAI関係者が、広島AIプロセスの「全てのAI関係者向けの広島プロセス国際指針」に沿って行動すべきだともされています。ガイドラインの全体像は、別の記事で紹介しています。

AI事業者ガイドラインの10の原則(7つと3つ)

「過信も不信もしない」距離感が大切

AI技術は今も進化を続けていて、使われる分野も広がっています。そのため、「信頼できるAI」の具体的な形は、AI基本計画が原則のひとつに定める「アジャイルな対応」のもとで、これからも関係者が検討と議論を重ねて実現していくことが大切です。

白書は、次のようにまとめています。AIが技術のひとつである以上、その機能を「役に立つもの」として受け取れるか、「損失や損害」として被るかは、AIを開発し、使う私たち人間の側にかかっています。だから、「信頼できるAI」とセットで、AIを過信も不信もせず、適切な距離感で信頼できる人間の力、つまり「適切にAIを信頼できる力」を育てていくことも大切です。

人間とAIが健全に協力し合うデジタル社会は、「信頼できるAI」と「適切にAIを信頼できる力」の両方を目指した先に広がっている、というのが白書の見方です。

まとめ

  • 「信頼できるAI」は、人権・プライバシーの尊重、公平性、透明性、安全性などを備え、関係者が説明責任を負うAI。
  • 日本では、人間の尊厳・多様性と包摂・持続可能性が基本理念。
  • AI事業者ガイドラインには10の原則があり、そのうち「教育・リテラシー」は社会全体で取り組む事項。
  • 使う私たちにも、AIを過信も不信もしない力が求められる。

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出典