「うちの親、変な電話や訪問販売にだまされていないかな?」と、心配になったことはありませんか?
2025年度に全国の消費生活センターなどへ寄せられた相談のうち、契約した人が65歳以上のものは33万件を超えました。この記事では、どんな相談が多いのか、年齢が上がるとどう変わるのかを、わかりやすく整理します。
65歳以上の消費者トラブルは、どのくらい?
契約当事者が65歳以上の相談件数は、2025年度に330,497件でした。2024年度の304,674件と比べると、約25,800件増えています。相談全体のうち、65歳以上の人の契約についての相談は37.7%を占めました。
相談件数は、2021年度の251,848件から、2022年度268,879件、2023年度277,636件、2024年度304,674件、2025年度330,497件と、増える傾向です。
平均の契約購入金額は約73万円で、65歳未満の約94万円より少なめでした。ただ、平均の既支払金額は約51万円で、65歳未満の約50万円とほぼ同じです。契約した金額が5万円未満の相談は、6割以上を占めました。
多い相談は、どんなもの?
商品やサービスごとの相談件数を見ると、上位は前の年度と大きく変わっていません。
- 1位 商品一般(41,391件):不審な電話や、身に覚えのない請求など。警察や実在する通信会社、宅配業者など、いろいろな組織の名前がかたられています。
- 2位 化粧品(28,647件)、3位 健康食品(19,507件):主に定期購入のトラブルです。1回だけのお試しのつもりで買ったら、定期購入になっていた、という相談が多くあります。
- 4位 他の役務サービス(13,767件):パソコンから警告音が鳴って、あわててサポートセンターに問い合わせたら遠隔操作された、というサポート詐欺や、有料の質問サイト、給湯器などの点検のトラブルがあります。
- 5位 移動通信サービス(携帯電話など)、6位 インターネット接続回線(光回線など)
2025年度に上位20位へ新しく入ってきたのは、「電気設備」「電気工事」「アクセサリー」です。分電盤の点検や交換工事、訪問買取や店舗買取の相談が目立ちます。
通信事業者を名乗って「未納料金がある」とお金を請求する不審な電話の相談も、前の年度より上位になりました。
年齢が上がると、契約の形が変わる
契約の形(販売購入形態)を年齢区分ごとに見ると、傾向がはっきり分かれます。
| 契約の形 | 65〜69歳 | 85歳以上 |
|---|---|---|
| 通信販売 | 48.4% | 18.6% |
| 訪問販売 | 6.3% | 21.5% |
| 電話勧誘販売 | 6.5% | 9.9% |
| 訪問購入 | 0.8% | 2.7% |
それぞれの年齢区分の相談全体に占める割合です。通信販売は年齢が上がるほど割合が下がり、訪問販売・電話勧誘販売・訪問購入は年齢が上がるほど割合が高くなります。85歳以上になると、訪問販売の割合が通信販売を上回ります。
年齢が上がると家にいる時間が長くなり、訪問での勧誘を受けやすい環境にあることが、一因と考えられています。また、インターネット通販を使う人は少しずつ増えていますが、85歳以上は利用する機会が少ないと考えられています。
手口は、ネット通販と定期購入がいちばん多い
販売方法や手口で見ると、65歳以上では次の順に相談が多くなっています。
- インターネット通販(69,399件)
- 定期購入(46,958件)
- 家庭訪販(28,205件)
- 電話勧誘販売(22,547件)
- かたり商法(身分詐称)(19,447件)
- 点検商法(14,167件)
- 代引配達(13,818件)
- 無料商法(5,537件)
- テレビショッピング(4,577件)
- 適合性(4,056件)
1件の相談に複数の手口が含まれるときは、それぞれ1件ずつ数えています。65歳未満の上位にはなかった「点検商法」「テレビショッピング」「適合性」が、10位以内に入っているのが特徴です。「適合性」は、本人の知識や経験、財産の状況、買う目的に合っていない勧誘や契約と思われる相談のことです。
点検商法については、分電盤の点検商法とは?「法律で15年」と言われても慌てない、断り方と相談先の記事も参考にしてください。
困ったときは、早めに相談を
消費生活で少しでも不安を感じたら、早めに家族や知人、最寄りの消費生活センターなどに相談しましょう。全国共通の3桁の電話番号「消費者ホットライン188(いやや!)」で、最寄りの消費生活センターなどを案内してもらえます。
身近な高齢者がトラブルにあっているかもしれない、と気づいたときは、できるだけ早く相談してください。相談は、家族やホームヘルパー、地域包括支援センターなどの職員からでもできます。
不審な人が出入りしていないか、困った様子がないか。日ごろから生活や言動を見守って、周りの人が変化にいち早く気づくことが、とても大切です。自治体によっては、福祉施設や民間企業、警察などが連携して高齢者を見守る「消費者安全確保地域協議会」が設置されています。
まとめ:数字を知って、家族で話すきっかけに
- 65歳以上の相談は、2025年度に330,497件。相談全体の37.7%
- 多いのは、不審な電話や身に覚えのない請求、定期購入、サポート詐欺、点検商法
- 年齢が上がるほど、訪問販売・電話勧誘販売・訪問購入の割合が高くなる
- 迷ったら、188へ。家族からの相談もできる
制度の内容や手続き、期限は、変わることがあります。最新の情報は、この記事の末尾にある「出典」のリンク先でご確認ください。
関連記事
- 188(消費者ホットライン)って何?消費者トラブルの相談先と、つながり方
- 消費生活相談ランキング2025年度。いちばん多い相談は?TOP10と増えたトラブル
- 定期購入のつもりじゃなかった?ネット通販で確認したい3つのこと
出典
- 国民生活センター「2025年度 65歳以上の消費生活相談の状況」(2026年9月16日公表・2026年10月31日に確認)
