太陽光発電のカタログや見積もりには、「出力」や「年間発電量」の数字が、たくさん並びます。その数字は、どんな条件の数字なのでしょうか。
この記事では、カタログの数字の読み方と、見積もりで確かめたいことを、やさしくまとめました。
「太陽電池容量」は、パネルの出力の合計
システムの出力は、「太陽電池容量(kW)」で表されます。これは、パネル1枚の「公称最大出力」を、全部足したものです。
パネルの仕様の数字は、決まった条件でのものです。結晶系も薄膜系も、「AM1.5、放射照度1000W/㎡、モジュール温度25℃」の条件(JIS C 61215-2)で測った値です。屋根の上の実際の条件とは、違います。
実際の発電電力は、容量の70〜80%程度
実際に使うときの出力(発電電力)は、日射の強さ、設置の条件(向き・角度・まわりの環境)、地域の差、温度で変わります。発電電力は、最大でも、損失のために、太陽電池容量の70〜80%程度になります。
たとえば、5kWのシステムで、いちばん発電するときでも、3.5〜4kW程度、という見方です。
「年間の推定発電量」は、どんな想定?
カタログにある年間の推定発電量は、次の想定で計算されます。
- システム。5kW程度、真南(0度)、角度30度。
- 地域。札幌、仙台、東京、名古屋、金沢、大阪、広島、高松、福岡、那覇の10都市の日射量のデータ。
- 日射量のデータ。NEDOが公表している「MONSOLA」のデータ。
- 計算。月ごとの発電量を、12か月分、合計します。温度による補正と、パワコンでの損失、パネルの汚れや配線などの損失も、入れて計算します。
数字に入っていないこと
年間の推定発電量には、影、積雪、年数がたったことによる劣化、出力制御などの影響は、入っていません。実際の発電量は、設置する場所の条件や、年数で変わります。向きや影の影響は、屋根の向きと影で、発電量はどう変わる?の記事をご覧ください。
「防眩」「低反射」のガラス
- 防眩ガラス。表面を凹凸に加工して、反射光を散らす。
- 低反射ガラス。表面に、反射を減らす膜(ARコート)をつける。
どちらも、光害(まぶしさのトラブル)が起きないことを、保証するものではありません。近所への反射光は、設置の向きや位置でも変わるので、事前に確認しましょう。
耐荷重の数字も、条件つき
パネルの「耐荷重」(風や雪の重さに耐える力)は、取り付けの方法ごとに、設計の荷重と試験の荷重が示されます。どちらが保証される荷重かを、区別して見ます。耐荷重は、固定の方法によって変わります。
見積もりで、確かめること
- 発電量の数字が、どんな条件(地域、向き、角度、日射量のデータ)の計算か。
- 計算の根拠(計算式)が、示されているか。
- 影や積雪、年数による劣化は、入っていないことを、理解したうえで見る。
「必ず、この量が発電します」「毎月、確実に〇万円入ります」という説明は、このような条件の数字とは合いません。そのような言い方には、すぐ契約せず、条件を聞きましょう。業者選びと見積もりの確認項目は、太陽光発電を付けるまでの流れの記事にまとめています。
まとめ:カタログの数字は、決まった条件の数字
パネルの出力は、決まった条件で測った値で、実際の発電電力は、容量の70〜80%程度です。年間の推定発電量は、真南・30度などの想定で、影や積雪、劣化は入っていません。条件を、見積もりで確かめましょう。
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出典
- 太陽光発電協会 表示ガイドライン(2026年度)|太陽光発電協会(JPEA)(2026年10月24日に確認)
