日本には、過去約1万年以内に噴火した火山や、いま活発に噴気活動をしている火山(活火山)が、111あります(2025年8月現在)。火山は温泉や景色の恵みをくれる一方で、噴火すると命にかかわることもあります。
この記事では、噴火で起きる現象と、噴火の前に出る防災情報、ふだんの備えをまとめました。火山の近くに住んでいない人も、登山や旅行の前に、ひと目読んでおきましょう。
噴火で起きる「火山現象」って、どんなもの?
災害をもたらす火山現象は、ひとつではありません。なかでも、すぐに命を奪うおそれがあるのが、次の3つです。
- 大きな噴石:火口から飛び出す、おおむね20〜30cm以上の岩石。逃げる時間の余裕がないことが多く、登山者の命にかかわります。
- 火砕流:高温の火山灰や岩石、火山ガスが、山の斜面を流れる現象。時速100km以上、温度は数百℃になることもあります。
- 融雪型火山泥流:雪の季節の噴火で、雪や氷がとけて大量の水になり、土砂や岩を巻き込んで流れ下る現象。時速数十kmに達することもあります。

ほかにも、こんな現象があります。
- 溶岩流:マグマが地表を流れ下る現象。流れは比較的ゆっくりで、歩いて避難できる場合もありますが、通り道の建物や道路、畑を広い範囲で焼きます。
- 小さな噴石・火山灰:直径2mm以上が「小さな噴石(火山れき)」、2mm未満が「火山灰」。風で遠くまで運ばれ、建物や農作物、飛行機などの交通にも影響します。
- 火山ガス:水、二酸化硫黄、硫化水素、二酸化炭素などのガス。成分や濃度によっては、人の体に悪い影響があります。
- 火山泥流・土石流:火山の噴出物と水が混ざって流れる現象。火口から熱い水があふれたり、雨で噴出物が押し流されたりして起きます。
過去には、どんな災害があったの?
| 年 | 火山 | できごと |
|---|---|---|
| 2014年9月27日 | 御嶽山 | 山頂で噴火。大きな噴石が火口から約1kmの範囲に飛び、死者・行方不明者は合わせて63人 |
| 1991年6月3日 | 雲仙岳(普賢岳) | 大火砕流で、警戒中の消防団員や警察官、取材中の報道関係者ら、死者・行方不明者43人 |
| 1926年5月 | 十勝岳 | 大規模な融雪型火山泥流が発生。43人(不明を含む)が犠牲に。泥流は25kmを25分で流れました |
噴火の前に出る、防災情報を知っておこう
全国の活火山のうち50の火山(常時観測火山)は、24時間体制で監視されています。東京の「火山監視・警報センター」と、札幌・仙台・福岡の「地域火山監視・警報センター」が、地震計や監視カメラなどで見守っています。
- 噴火警報:命にかかわる現象(大きな噴石や火砕流など、避難までの時間がほとんどないもの)が予想されるときに、「警戒が必要な範囲」とともに出ます。「噴火警報(居住地域)」と「噴火警報(火口周辺)」があります。
- 噴火警戒レベル:火山の状況に応じて、どこまで危険か、何をしたらよいかを、5段階で示したもの。50の常時観測火山のうち49の火山で使われています(2025年8月現在)。
- 噴火速報・降灰予報:噴火したことや、灰が降る地域の予想を知らせる情報です。
「噴火警報(居住地域)」は、気象庁の警報のなかで、最大級の警戒を呼びかける特別警報に位置づけられています。
ふだんから、3つの準備をしておきましょう

- 火山防災マップを見ておく:市町村が作っている「火山防災マップ(火山ハザードマップ)」で、危険な場所を確認し、避難場所を調べておきましょう。
- 通知を登録しておく:噴火警報や噴火速報が出たとき、自動でお知らせしてくれる「プッシュ型通知」のサービスが、民間の事業者から提供されています。テレビやラジオでも発表されます。
- 登山の前に情報を確認する:登山を予定しているときは、気象庁の「火山登山者向けの情報提供ページ(全国)」で、火山情報や規制の範囲を見て、計画を立てましょう。
いまの火山の状況を見たいときは、気象庁のサイトの「火山に関する情報の発表状況」で確認できます。
まとめ:何も起きていない日に、準備を
火山は、ときに大きな災害を引き起こします。どんな現象が起きるのかを知って、噴火警報や噴火警戒レベルに気を配りましょう。何も起きていない平時のうちに、火山防災マップを見ておくことと、通知の登録が、いざというときの助けになります。
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出典
- 政府広報オンライン「命にかかわる『火山災害』噴火警戒レベルを理解し、防災情報をチェックしましょう」(2025年8月公開。2026年10月18日に確認)
