レストランで頼みすぎて、食べきれなかった。そんなとき、残りを持ち帰ってもいいのでしょうか。持ち帰るとしたら、何に気をつければいいのでしょう。
この記事では、令和6年12月25日に策定された「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン ~SDGs目標達成に向けて~」のうち、消費者に関わる部分をまとめました。
まずは「食べきる」が基本です
食品ロスを減らすうえで、いちばん大切なのは、その場で食べきることです。ガイドラインでは、次のように考えられています。
- 消費者: 食べきれる量を注文する。ビュッフェ形式のお店では、少量ずつとる。
- 飲食店: 小盛りメニューや小分けの商品を用意するなどの工夫をする。
それでも食べきれなかったものは、持ち帰って食べるのが、食品ロス削減の一つの有効な方法とされています。外食産業は、事業系の食品ロス発生量の約4分の1を占めていて、その排出要因の約5割が、消費者による「食べ残し」です。
どんなお店・料理が対象なの?
- 対象のお店: 一般の食堂、レストラン、ホテル。お店の規模で対象外になることはありません。
- 対象外: 学校や病院などの集団給食施設。また、はじめから持ち帰りを前提にした、テイクアウトやデリバリー。
お店で食べてもらうことを前提に出された料理を、食べきれずに、その場所の外へ持ち出す場合のルールです。

持ち帰りは「自己責任」が前提です
ガイドラインでは、食べ残しの持ち帰りは、消費者の自己責任で行うことが前提とされています。食中毒についての正しい理解を持つことが求められています。
お店は、お客さんが店内で、調理してから短い時間のうちに食べることを前提に、料理を出しています。持ち帰りたいと申し出たときに、お店とお客さんのあいだで、新たに持ち帰りの合意をすることになります。そのため、お店には、持ち帰れる料理を決めることや、安全に食べるための注意事項を説明することが求められます。持ち帰ってよい料理かどうかは、お店が判断します。消費者は、お店の指示に従います。
持ち帰るときの6つのポイント
- お店が認めた料理だけを持ち帰る。生ものや、半生などの加熱が不十分な料理は、持ち帰りに向きません。水分が少なく、帰宅後に再加熱できる料理を選びます。
- 容器は、基本的にお店が用意したものを使う。詰めるときは、清潔な手で、お店が指定する清潔な容器や箸を使います。
- 詰め替えは、持ち帰る本人が行う。発熱や下痢などの体調不良がない大人が行います。フードコートなどでは、異なるお店の食品を同じ容器に詰めません。
- 温かい場所に置かない。外の気温が高い場合は、保冷剤がなければ持ち帰りを控えます。気温が高い日や、帰宅に時間がかかる日は、持ち帰りをやめます。寄り道はしません。
- 帰宅したら、できるだけ早く食べる。すぐに食べられない場合は、冷蔵庫などで保管します。
- 中心部まで十分に再加熱して食べる。見た目やにおいなどが少しでもおかしいと感じたら、口に入れません。
家族に譲るときは
- お店で一度手をつけた食品は、原則として、その本人が食べます。
- 家族などに譲る場合は、お店から聞いた注意事項を、相手にも伝えます。
- 食物アレルギーがある人には、譲りません。

再加熱のコツと、食中毒の菌の特徴
ガイドラインの別添資料には、消費者向けの注意が載っています。再加熱するときは、次の点に気をつけます。
- 電子レンジを使うときは、電子レンジ用の容器とふたを使う。
- 熱が伝わりにくいものは、ときどきかき混ぜる。
- 単に温めるだけでは、菌は死にません。食品全体をむらなく加熱する。
- 食品の中で増えて、通常の加熱では死なない熱に強い殻(耐熱性芽胞)や、熱に強い毒素を作る菌もいます。持ち帰ったら、すばやく食べる。
| 菌・ウイルス | 過去に食中毒の原因となった食品の例 | 消費者が注意すること |
|---|---|---|
| 黄色ブドウ球菌 | おにぎり、弁当などの穀類とその加工品 | 「つけない」(特に詰め替えのとき、清潔な器具と容器を使う)、「増やさない」(常温で長く置かない)。毒素は電子レンジなどの通常の加熱では無毒化されない。 |
| セレウス菌 | チャーハン、スパゲッティ、弁当類、調理パンなど | 「増やさない」。常温で長く置かず、すばやく食べる。毒素は通常の加熱では無毒化されない。 |
| 腸炎ビブリオ | 刺身、寿司類、貝類など | 店内で食べるのが原則。持ち帰りは控える。 |
| ウエルシュ菌 | ローストビーフ、カレー、シチュー | 常温で長く置かず、すばやく食べ、しっかり再加熱して食べる。 |
| カンピロバクター | 鶏刺し、鶏わさなど、加熱が不十分な鶏肉料理 | 加熱が不十分な食品は持ち帰らない。 |
| サルモネラ属菌 | オムレツ、弁当など | 加熱が不十分な食品の持ち帰りは控える。 |
| 腸管出血性大腸菌 | 牛角切りステーキ、ローストビーフ、サラダ、白菜漬けなど | 加熱が不十分な食品の持ち帰りは控える。 |
| ノロウイルス | 調理済みの食品 | 「つけない」(詰め替えのとき清潔な器具と容器を使う)。下痢やおう吐などの症状がある人は、詰め替えをしない。 |
お店の人への気づかいも、大切です
ガイドラインでは、消費者に求められる行動として、次のことが挙げられています。
- お店の説明事項を理解して、きちんと守る。
- 持ち帰りに対応するお店は、現場の仕事が増えても取り組んでいる。その誠実さを理解して、評価する。
- お店は、費用をかけて、食品ロス削減などのために取り組んでいる。その姿勢を前向きに評価する。
持ち帰ったあとの食品の管理の責任は、基本的に消費者にあることを、よく心にとめておきましょう。持ち帰りの可否は、お店ごとの判断です。申し出る前に、お店の決まりを確認しましょう。

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出典
- 消費者庁・厚生労働省「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン ~SDGs目標達成に向けて~」(令和6年12月25日策定)(2026年10月16日に確認)
