エアコンのシーズン前に、「試運転」をしていますか?暑くなってからだと、故障に気づいても、修理の依頼が混み合ってしまいます。点検、修理、工事の依頼は、夏に集中するのだそうです。
エアコンの事故の状況と、試運転のときに確認したい4つのポイントを、やさしく見ていきましょう。
エアコンの事故、5年間で363件
製品事故の情報では、2020年度から2024年度までの5年間に、エアコン(室外機を含み、窓用エアコンは除く)の事故は363件ありました。そのうち337件が火災事故で、事故の9割以上を占めています。
被害の内訳は、次のとおりです(カッコ内は被害者の数)。
| 被害の種類 | 件数 |
|---|---|
| 死亡 | 7件(8人) |
| 重傷 | 3件(4人) |
| 軽傷 | 21件(31人) |
| 拡大被害(周りの製品や建物にも被害) | 259件 |
| 製品破損 | 62件 |
月別にみると、夏と冬に事故が多く、これは、エアコンを使う機会が増えるためと考えられています。特に、7月、8月といった暑い時期の事故が目立ちます。

事故の原因は、「製品のせいではない」ものが多い
調査が終わった261件では、「製品に起因しない」事故が半分以上を占めています。たとえば、室外機が外から燃え移った(または燃え移った疑いがある)事故は、148件のうち93件と多くなっています。ほかにも、配線の途中接続など、説明書で禁止されていることをしたのが原因と考えられる事故があります。
事故の例を、3つ見てみましょう。
- 延長コードを使っていた(2021年12月、熊本県)。エアコンの電源プラグを延長コードにつないで使っていて、延長コードのコネクターの内部で異常に熱くなった可能性があります。室内機と周りが焼けました。エアコンに出火の跡はなく、延焼によるものと推定されています。電源コードのラベルには「コードには中間接続・延長禁止」とありました。
- 電源コードを継ぎ足して、ねじり接続していた(2022年12月、埼玉県)。コードを途中で切って継ぎ足したため、つなぎ目で接触不良が起き、異常に熱くなって焼けたと推定されています。
- 室外機のまわりに物が置かれていた(2022年6月、東京都)。室外機のあるベランダに、段ボール箱に入った家電や折りたたみ自転車が置かれていました。室外機が焼け、4人が軽傷を負いました。エアコンの電気部品に出火の跡はなく、周りの燃えやすいものからの延焼が疑われます。
試運転の前に、確認したい3つのこと
1. 延長コードを使わず、専用コンセントにつないでいる?
エアコンは大きな電流が流れることがあります。延長コードやテーブルタップを使うと、異常に熱くなって、煙が出たり、燃えたりするおそれがあります。エアコン専用のコンセントに、プラグを直接差し込みましょう。
2. 電源プラグや、室内機のフィルターにほこりがたまっていない?
プラグは、コンセントとの間にすき間ができないように、しっかり差し込みます。そして、定期的に掃除をして、ほこりを取りましょう。すき間にほこりがたまり、表面に水分がつくと、「トラッキング現象」(ほこりや水分で電気の通り道ができて、異常に熱くなる現象)が起きるおそれがあります。特に湿度の高い夏は、注意が必要です。掃除のときは、必ずプラグをコンセントから抜いて、から拭きでほこりを取ってください。
室内機のフィルターにほこりがたまっていると、空気の通りが悪くなり、性能が落ちます。カビが増える原因にもなります。効きが悪くなるだけでなく、電気を余分に使ったり、負荷がかかって傷みが早まり、故障につながったりするおそれもあります。試運転のときだけでなく、こまめに掃除しましょう。
3. 室外機のまわりに、物を置いていない?ドレンホースはふさがっていない?
室外機の上や、前後のまわりを、片付けて、そうじしましょう。周りに燃えやすいものがあると、火がついたときに室外機に燃え移って、大きな火災になるおそれがあります。段ボールやごみを置いていると、小動物や虫のすみかになり、中に入りこんで配線をかじったり、基板にふれたりして、ショートして燃えるおそれもあります。
ドレンホース(排水用のホース)の出口がふさがっていると、排水できなくなり、室内機の水漏れの原因になります。出口がつまっていないか、確かめておきましょう。

試運転のやり方
次のように試運転しましょう。
- 設定できるいちばん低い温度にして、冷房運転で、冷たい風が出るかを10分間確かめる。
- そのまま30分ほど運転を続けて、異常がないか確認する。
確認したいのは、次の3つです。
- 室内機から、水漏れがないか。
- 室内機や室外機から、異音や、こげ臭いにおいがしないか。
- エラー表示が出ないか、思いがけず電源が落ちないか。
もし異常があったら、販売店やメーカーに相談して、必要なら点検を受けましょう。異常を放っておいたまま使い続けると、事故につながるおそれがあります。
リコールの確認も忘れずに
エアコンの事故の中には、リコールが始まったあとに起きたものもあります。持っている製品がリコールの対象になっていないか、確認しましょう。対象の製品を持っているときは、不具合がなくても、すぐに使うのをやめて、販売店や製造・輸入事業者に確認、相談してください。NITEの検索ツール「NITE SAFE-Lite」や、消費者庁の「リコール情報サイト」で調べられます。
まとめ:早めに試運転して、安心して使おう
エアコンの点検や修理、工事の依頼は、夏に集中します。「延長コードを使わない」「ほこりを取る」「室外機のまわりを片付ける」「10分+30分の試運転」。この4つを、シーズンの前にやっておきましょう。
なお、暑さが続いている背景として、年平均気温が2023年、2024年と2年連続で観測史上最高を更新したことにもふれられています。熱中症対策のひとつとして、エアコンを有効に使うことが挙げられています。
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出典
- NITE 暑くなったら手遅れです!~早めのエアコン試運転で事故と熱中症を防ぎましょう~(2025年5月29日発表)(2026年10月17日に確認)
- NITE 同発表資料(PDF)(2026年10月17日に確認)
