★ 2026-10-24 防災・備え

クマに出会わないための3つの対策と、出会ったときの動き方。撃退スプレーの注意も

クマに出会わないために。3つの対策と、出会ってしまったときの動き方、撃退スプレーの注意(政府広報オンライン)

近年、クマが住宅街など、私たちの生活圏に出てきて、人がけがをするケースが増えています。山に入る人だけでなく、街なかで暮らす人にとっても、他人ごとではなくなってきました。

いちばん大切なのは、「出会わないこと」です。

クマに出会わないために、3つのことを

クマは本来、人を避けて暮らす動物です。でも、不意に出会うとおどろいて、攻撃してくることがあります。出会わないための対策は、山林だけでなく、住宅街、農地、道路、通学路でも同じです。これまでクマが出なかった地域でも、遭遇する可能性があると考えておきましょう。

クマに出会わない3つの対策:寄せ付けない、存在を知らせる、出没情報を調べる

1. クマを寄せ付けない

クマは食べ物を求めて、人の生活圏に近づくことがあります。放ったままの果実や、農作物の残り物、生ゴミのほか、コンポスト、ペンキなどの塗料、有機肥料、燃料も、クマを引き寄せる原因になります。一度でも人家の周りで食べ物を得ると、その場所を覚えて、くり返し出てくるおそれがあります。

  • 収穫しない果実は、早めに取り除く
  • 管理できない果樹は、伐採を考える
  • 屋外に生ゴミを放置しない

クマは、草むらや藪など、身を隠しやすい場所を好んで動きます。刈り払いをして、見通しのよい環境にしておくと、近づきにくくなります。畑や果樹園には、電気柵も有効です。ワイヤーの高さや間隔など、クマに効果的な設置方法を確かめてから設置しましょう。

2. 人の存在を知らせる

日本の多くのクマは、人間を「会いたくない相手」として警戒しています。クマ鈴やラジオなど、音の出るものを持ち歩いて、音を出し続けましょう。複数人で会話しながら歩くのも有効です。

ただし、くり返し人の生活圏に出てくるクマには、効果がないこともあります。物音や足跡などから、クマの存在に早めに気づけるよう、注意を払うことも大切です。

3. 出没情報を調べる

出かける前に、移動のルートや目的地の周りの出没情報を、必ず確認しましょう。情報があるときは、不要不急の外出を控えるのが、いちばんの安全策です。どうしても出かけるなら、クマに出会いやすい早朝や夕方を避け、徒歩での外出も控えましょう。

出没情報は、環境省の「国民向けのクマに関する情報」で確認できます。

「いつもの道」でも油断は禁物です。散歩道や通勤・通学の道でも、出没情報が出ていることがあります。近所の人に「クマが出ているから散歩は危ない」と注意されたのに散歩を続けて、襲われた事例も報告されています。

もし、クマに出会ってしまったら

どれだけ気をつけても、遭遇する可能性はゼロではありません。そのときの基本は、クマを見ながら、静かにゆっくり移動することです。

やってはいけないこと理由
大声を出す、物を投げるクマを刺激して、追いかけてくることがある
背中を見せて走り出す同じく、クマを刺激する
リュックやかばんを置いて逃げる食べ物が入っていると、餌付けにつながるおそれがある
クマに出会ってしまったときの動き:静かにゆっくり移動、遮蔽物をはさむ、安全な場所に避難、連絡
  • 遮蔽物をはさむ:電柱や木、車などが近くにあるなら、クマと自分の間にはさむ位置に動きます。突進されても、直接ぶつかる危険が下がります。
  • 安全な場所に避難する:近くに車や民家、店、公共施設があれば、車内や屋内に入ります。自分だけで何とかしようとせず、近くの人に助けを求めましょう。
  • 自治体や警察に連絡する:まず安全な場所に避難してから、出没した場所、時間、移動した方向を、わかる範囲で整理して、地域の自治体か警察署に連絡します。

クマ撃退スプレーは、どう使うもの?

クマ撃退スプレーは、クマが目の前に迫ったときに使うものです。主成分は、唐辛子由来の辛み成分(カプサイシン類)で、クマの目や鼻を強く刺激して、攻撃や接近を一時的に抑えることを目的にしています。テストでは、噴射距離や噴射時間が製品によって違うことが確認されています。

  • 買うときは、性能の推奨要件を参考に、製品に表示された性能をよく確認する
  • 持ち歩くときは、いざというときにすぐ取り出せるようにする
  • 使うときは、クマと5〜10m程度の距離をとり、できるだけ風上から風下に向けて、クマの顔(目や鼻)に噴射する
  • 事前に操作方法を確認して、練習しておく

注意したいのは、クマを寄せ付けないための忌避剤ではないことです。海外の研究では、地面に噴射したあと、クマが引き寄せられたことが確認されています。人に吹きかけたり、テントや荷物に吹きかけたりしないでください。

実際にクマを目の前にすると、落ち着いて確実に操作するのは簡単ではありません。「持っているから安心」と油断せず、まずは出会わない行動を心がけましょう。

最終手段:防御姿勢

襲われそうになったときの最終手段が「防御姿勢」です。頭にフードや帽子をかぶり、うつぶせになって顔や胸、お腹を守り、手の指を組んで後頭部と首の後ろを守ります。手や腕、背中は攻撃を受けますが、急所を守って、命にかかわるけがを防げる可能性があります。あくまで最終手段なので、まずは基本の対処を行いましょう。

人とクマの「すみ分け」も進んでいます

国は都道府県と連携して、地域ごとの個体数の調査を進めています。また、人とクマのすみ分けのために、エリアを3つに分ける(ゾーニング)取組をしています。

  • クマの生息エリア:クマが安心して暮らせるよう、自然環境を守る
  • 人とクマの境界エリア:藪の刈り払い、放任果樹の管理、電気柵の設置などで、クマを寄せ付けない
  • 人が生活するエリア:人の活動を優先し、クマをエリア内から排除する

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出典