お店や会社のSNS公式アカウントに、ある日ログインできなくなったら……。あるいは、取引先から「振込先が変わりました」とメールが届いたら、そのまま信じて振り込んでも大丈夫でしょうか?
職場での2つの被害事例から、起きたときの対処と予防のポイントをまとめました。個人でSNSを使っている人にも、役立つ内容です。
事例1:SNSの公式アカウントが乗っ取られた
ある有名なゆるキャラのSNSアカウントが、乗っ取られる被害にあいました。さらに、同じゆるキャラの偽アカウントも作られました。フォロワーから「アカウントをブロックされたときと同じ症状が出ている」という報告があり、調べた結果、乗っ取りが分かったのです。
悪意のある第三者がログインしていると分かったため、運営者は旧アカウントを閉鎖して、新しいアカウントへ移行すると発表しました。ところが、一時は旧アカウント、新アカウント、偽アカウントの3つが同時に存在する状態になり、運営者も、当時2万人以上いたフォロワーも、大混乱になりました。
SNSの公式アカウントは、会社や組織の「顔」です。乗っ取られると、サイトの改ざんにも匹敵する影響が出るおそれがあります。
SNSアカウントの乗っ取りへの対処と予防
- 対処:乗っ取りや偽アカウントの作成が分かったら、そのアカウントの停止を、SNSサービスの提供者へ速やかに依頼します。
- 予防:アカウントの認証には、簡単なパスワードを使わないようにします。そして、できるだけ多要素認証を設定しましょう。

事例2:正しい取引先に送金したはずが……
Aさんの会社は、海外のX社と業務提携していて、定期的に海外から部品を仕入れています。ある日、X社から「担当者と振込先口座が変わった」という連絡があり、経理担当者は、その月から変更後の口座に振り込みました。
ところが翌月、X社の担当者から「先月の請求分が振り込まれていない」と連絡が来ます。確認すると、先月の連絡は偽のメールアドレスから送られたもので、内容がすべてうそだったと分かりました。振込先の口座からは、すでにお金が引き出されていて、回収は難しくなってしまいました。
「振込先が変わりました」メールへの対処と予防
起きてしまったとき
- 正規の取引先ではない口座に振り込んでしまったら、銀行に連絡すると、送金をキャンセルできる場合があります。速やかに連絡しましょう。
- X社のメールアドレスにそっくりなものが使われていたことから、会社全体がねらわれている可能性があります。社内に注意を呼びかけましょう。
予防のために
- 前任の担当者にも確認する:担当者や振込先が変わったときは、前の担当者にも確認します。メールのアカウントが乗っ取られているかもしれないので、電話など、メール以外の方法で確認しましょう。
- 送信元のメールアドレスを確かめる:偽物か正規のものか、注意深く見ます。担当者や振込先の変更連絡があったときは、特に注意です。
- 社内の手順を見直す:振込先などを変更するときにチェックする項目を、チェックシートにして、手順として決めておきます。海外へ送金するときは、複数人でのチェックを徹底するといったルールも整えましょう。

まとめ
どちらの事例も、「いつものことだから」「公式だから」と思い込みやすい場面で起きています。パスワードと多要素認証でアカウントを守ること、お金に関わる連絡は、メール以外の方法でも確かめること。この2つを、ふだんの習慣にしておきましょう。
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出典
- 総務省 国民のためのサイバーセキュリティサイト「職場での被害事例 事例7 公式アカウントが乗っ取られた」(2026年10月19日に確認)
- 同「職場での被害事例 事例16 正しい取引先に送金したはずが・・・」(2026年10月19日に確認)
