「銀行から重要なお知らせ」「宅配の不在通知」「アカウントをロックしました」。こんなメールやSMSが届いて、ドキッとしたことはありませんか。実在のサービスをかたって、偽のサイトに誘導するのが、フィッシングです。
この記事では、実際にあった4つの相談事例と、被害にあったときの動き方、ふだんの対策をまとめます。
フィッシングって、どんな手口?
実在のサービスや企業をかたり、偽のメールやSMSで偽サイトに誘導して、IDやパスワードなどを盗んだり、マルウェアに感染させたりする手口です。盗まれると、アカウントを乗っ取られてお金を奪われたり、勝手に買い物をされたりします。マルウェアに感染すると、スマホの電話帳の情報が盗まれたり、自分のスマホがフィッシングSMSの発信源になってしまったりすることもあります。
偽サイトで入力を求められる情報には、こんなものがあります。
- 金融機関の口座番号、クレジットカード番号、暗証番号(ワンタイムパスワード、乱数表の番号など)
- 住所、氏名、電話番号、生年月日
- メール、インターネットバンキング、SNSのIDやパスワード
- 運転免許証、マイナンバーカード、乱数表などの画像
実際にあった4つの相談事例
| 事例 | 届いたもの | 起きたこと |
|---|---|---|
| 1 | ネット口座のある銀行から「重要なお知らせ」というメール | URLにアクセスして口座番号や暗証番号を入力。その後、身に覚えのない多額の送金をされていた |
| 2 | クレジットカード会社から「クレジットカード情報の確認」というSMS | URLにアクセスしてカード情報を入力。後日、身に覚えのない支払いが見つかった |
| 3 | 大手通販サイトから「不正なログインが確認されたため、アカウントをロックしました。解除するには下記のURLから手続してください」というSMS | あわててURLに接続し、IDとパスワードを入力してしまった |
| 4 | 宅配業者から「お荷物のお届けにあがりましたが、不在でしたので持ち帰りました」というSMS | URLにアクセスして、荷物追跡のアプリをインストール。知らない間に、電話帳の電話番号へ大量のSMSが送られていた |
文面は「あわてさせる」ものが多い
誘導の方法は、携帯電話会社、宅配業者、金融機関をかたるメールやSMSのほか、検索サイトの広告、企業の本物のメールアドレスになりすましたメール、官公庁を名乗るメールなど、さまざまです。文面は、「個人情報の漏えい」「不正アクセス検知」「取引の停止」など、切迫感をあおって、ログインさせようとするものが多く確認されています。
また、メールは、仕組み上、受信者に見える「送信元名称」や「送信元メールアドレス」を変えるのが簡単です。表示されている送信元だけでは、本物かどうか判断するのは難しく、スマホのメールアプリは、パソコンより表示項目が少ないこともあって、さらに見分けにくくなります。
被害にあったら、この3つを
- サービス提供会社に相談する:不正送金なら金融機関、クレジットカードの不正利用ならカード会社が、補償の制度や相談窓口を設けているところがあります。被害にあったサービスの会社に相談しましょう。不正送金については、全国銀行協会の「金融犯罪に遭った場合のご相談・連絡先」もあります。
- パスワードなどを変更する:ふだん使っているIDやパスワードを入力してしまったら、そのIDとパスワードを使っているすべてのサービスで、すぐに変更しましょう。
- 警察に通報・相談する:フィッシングサイトを見つけたら、URLを「フィッシング110番(インターネット・ホットラインセンター)」に通報します。被害にあったときは、最寄りの警察署か、サイバー事案に関する通報等のオンライン受付窓口に相談しましょう。
ふだんから、5つの対策を
- リンクはクリックしない:メールやSMSのリンクは偽装できます。正規サイトに似たドメイン名の偽サイトも多く、見た目では判断できません。公式サイトをブックマークしておく、公式アプリを使うなどして、正しいサイトに接続しましょう。なお、金融機関が、IDやパスワードなどをメールやSMSで問い合わせることはありません。
- パソコンやスマホを安全に保つ:OSやアプリのぜい弱性を悪用して、広告などから偽サイトに誘導されることもあります。アップデートをして、安全な状態にしておきましょう。
- 携帯電話会社などのセキュリティ設定を使う:迷惑メッセージブロック機能などで、偽のメールやSMSが届きにくい設定にしましょう。
- IDとパスワードの使い回しをしない:1つ盗まれると、銀行、SNS、通販など、すべてが乗っ取られるおそれがあります。サイトごとに別のものにして、覚えられなければ、パスワード管理アプリを使いましょう。
- ワンタイムパスワードなどを使う:パスワードに加えて、メールやSMSで届くワンタイムパスワードが必要なサービスがあります。指紋や顔認証を組み合わせると、より安全です。
フィッシングの手口は日々変わります。最新の手口は、フィッシング対策協議会の「フィッシングに関するニュース」でも確認できます。
まとめ:「あわてて入力しない」が、いちばんの対策
「アカウントがロックされます」「不在でした」など、急がせる文面が届いたら、いったん深呼吸。リンクは開かず、公式サイトや公式アプリから確認しましょう。もし入力してしまったら、すぐに会社と警察に相談を。
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出典
- 警察庁「フィッシング対策」(2026年10月18日に確認)
