スマホから突然、大きな警報音。「緊急地震速報」です。このとき、数秒から数十秒のあいだに、何ができるでしょうか。
この記事では、政府広報オンラインの記事「『緊急地震速報』と『津波警報』等 いざそのとき、身を守るために!」(2024年12月12日掲載)をもとに、緊急地震速報と津波警報のしくみと、とるべき行動をまとめました。
緊急地震速報って、どんなもの?
大きな地震が起きたとき、地震計でとらえたデータをすばやく解析して、震源、地震の規模(マグニチュード)、予想される揺れの強さ(震度)を自動で計算し、強い揺れが来ることを事前に知らせる警報です。
地震が起きたと知ってから激しく揺れ始めるまでに、せめて10秒あれば、頭を守るなどのとっさの行動で、被害をいくらか減らせます。
| 発表の基準 | 対象の地域 |
|---|---|
| 震度5弱以上を予想した場合、または長周期地震動階級3以上を予想した場合 | 震度4以上を予想した地域、または長周期地震動階級3以上を予想した地域 |
長周期地震動階級3以上も対象になったのは、令和5年(2023年)2月1日からです。長周期地震動とは、大きな地震で生じる、周期(揺れが1往復するのにかかる時間)が長い大きな揺れのことです。
どうやって届くの?
気象庁の発表を受けて、防災行政無線、テレビ・ラジオ、携帯電話(スマートフォンを含む)の「緊急速報メール」などで伝えられます。使っている端末によっては、受信の設定が必要な場合があります。お使いの機種によっては、受信できないこともあります。ご契約の携帯電話会社のサイトで、設定を確認しておきましょう。また、報知音がどんな音か、あらかじめ確認しておくと、鳴ったときにすぐ動けます。

知っておきたい「限界」
- 発表から強い揺れが来るまでは、長くても十数秒から数十秒しかありません。
- 震源に近い地域や、いわゆる直下型地震では、発表が強い揺れの到達に間に合わないことがあります。
- 少ない観測点の短時間のデータから予想するので、予想震度にはプラスマイナス1階級程度の誤差があります。
- 地震の規模が大きい場合や、観測網から遠い場所の地震では、誤差が大きくなることがあります。
緊急地震速報は、P波とS波という2種類の地震波の速さの差を利用しています。速く伝わるP波を震源近くの地震計がとらえると、強い揺れをもたらすS波が来る前に、揺れの強さを計算して知らせます。発表は、観測点が2か所以上で地震波を観測し、最大震度が5弱以上と予想される場合です。2か所以上とするのは、地震計の近くへの落雷などによる誤報を避けるためです。
聞いたとき、どう動く?
周りの人に声をかけながら、「周囲の状況に応じて、速やかに慌てずに、まず身の安全を確保する」ことが大切です。場所によって、とるべき行動は変わります。
| いる場所 | とる行動 |
|---|---|
| 家の中 | 頭を守りながら大きな家具から離れ、丈夫な机の下などに隠れる。慌てて外に飛び出さない。火を使っていて、その場で消せるなら火を消す。火元から離れているなら、無理に消しに行かない。扉を開けて避難路を確保する。 |
| 人が大勢いる施設 | 係員や従業員の指示に従う。指示がなければ、その場で頭を守り、安全な姿勢をとる。吊り下がる照明の下から退避する。出口や階段に殺到しない。 |
| エレベーター | 最寄りの階で停止させて、すぐに降りる。 |
| 屋外 | ブロック塀や自動販売機のそばから離れる。ビルの壁、看板、割れた窓ガラスの落下に注意して、建物から離れる。 |
| 山やがけの近く | 落石やがけ崩れに注意して、できるだけその場から離れる。 |
| 電車・バス | つり革や手すりにしっかりつかまる。 |
| 車の運転中 | 急ハンドルや急ブレーキはかけず、ゆるやかに速度を落とす。ハザードランプをつけて周りの車に知らせ、道路の左側に止める。 |
慌てると、適切な行動ができません。地方自治体などが訓練用の緊急地震速報を流して訓練することがあるので、そうした機会に参加して、体を動かしておきましょう。
津波警報って、どんなもの?
津波の高さに応じて、「大津波警報」「津波警報」「津波注意報」が発表されます。地震の発生からおよそ3分で、全国66区域の津波予報区に、第1報が出ます。
- マグニチュード8を超えるような巨大地震では、規模を正確に把握するまでに時間がかかります。そのため第1報では、高さを数字ではなく、大津波警報なら「巨大」、津波警報なら「高い」という言葉で発表します。
- その後、規模がわかった時点(地震発生からおよそ15分ほど)で、予想される津波の高さを5段階の数値であらためて発表します。
- 「巨大な津波」または「高い津波」という表現のときは、東日本大震災のような巨大津波が来るかもしれない非常事態です。とにかくすぐに逃げることが、命を守ります。

津波から身を守る行動
- 警報が出たら、すぐに避難を始める。津波の速さは、水深が深いほど速く、水深5,000メートルの沖合では時速800キロメートルとジェット機並みです。陸地に近づいて浅くなると遅くなりますが、それでも時速36キロメートルと短距離選手並みで、走って逃げ切れるものではありません。見てから逃げ始めても、間に合いません。
- 「遠く」ではなく「高く」を目指す。津波は川など低いところへ押し寄せ、V字型の湾の奥などでは高くなりやすい、という地形の特徴があります。
- 津波注意報でも、すぐに海から上がる。津波は、台風の大波や高潮よりずっと大量の海水がかたまりで押し寄せるので、高さが低くても被害が出ることがあります。直ちに海から上がって、海岸から離れましょう。
- 揺れを感じたら、警報を待たずに避難する。震源が陸地に近いと、警報が津波の到達に間に合わないことがあります。海沿いや川沿いで揺れを感じたら、津波警報等が出ていなくても、すぐに避難を始めましょう。
- 津波は何度も来る。津波警報等が解除されるまで、安全な場所にいて、海には近づかないでください。
津波フラッグと津波標識
令和2年(2020年)6月から、海水浴場などで「津波フラッグ」による知らせが行われています。赤と白の格子模様の旗で、耳が不自由な方や、波音や風で音が聞き取りにくい遊泳中の方にも、警報の発表が伝わります。見かけたら、すぐに避難を始めましょう。
津波の危険がある場所には、「津波注意」や、津波避難場所・津波避難ビルを示す標識があります。海の近くにいるときは確認しておき、最寄りの避難場所や高台までの道も見ておきましょう。津波避難ビルは、津波のときの一時避難場所として指定された、頑丈で高い建物です。
ふだんの備えも、忘れずに
- 家の中の安全対策: 家具の固定、ガラスの飛散防止フィルムなど。
- 避難場所と避難経路の確認: 自治体のハザードマップを見て、実際に歩いてみる。
- 備蓄品と持ち出し品: 飲料水や非常食の備蓄と、避難所で過ごすための持ち出し品の用意。
- 家族の連絡方法: 待ち合わせ場所や連絡方法を話し合う。通信各社の「災害用伝言サービス」の使い方も確認する。
- 防災訓練に参加する: 地域や学校、職場の訓練は、実戦力をつける絶好の機会です。

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