太陽光パネルのカタログには、「単結晶」「多結晶」といった言葉が出てきます。何が違うのでしょうか。夏は、日差しが強いのに、発電量が思ったほど増えないのは、なぜでしょうか。
この記事では、パネルの種類と、基本のしくみを、やさしくまとめました。
広告
パネルの特徴(基本)
- 太陽の光のエネルギーを、直接、電気に変えます。発電のときに、CO2を出しません。
- 光の強さで、発電量が変わります。
- モジュールの温度が上がると、発電量が下がります。
- 発生する電気は、直流です。家庭で使う交流にするために、パワーコンディショナで変換します。
- 名前は「電池」ですが、電気をためる機能はありません。
- 直列につなぐと、電圧が上がります。
セル・モジュール・アレイ
- セル。太陽電池の基本の単位です。結晶系は、厚さ0.15〜0.2mmほどの、薄いシリコンの板に電極をつけたもので、電圧は約0.5〜0.6Vです。電流は面積に比例し、156mm角で8A前後です。
- モジュール。セルを必要な枚数、直列につないで、強化ガラスや樹脂、フィルムでおおい、アルミの枠をつけたものです。屋外の環境に耐えるように、パッケージ化されています。
- アレイ。モジュールを複数枚、直列や並列につないで、架台にのせたものです。
パネルの種類と、特徴
- 単結晶。シリコンの結晶が、規則正しく並んだセルを使います。電気に変える効率(変換効率)は高めですが、高純度のシリコンをたくさん使うので、製造のコストは高くなります。
- 多結晶。シリコンの結晶が、不規則に並んだセルを使います。単結晶に比べて、面積あたりの変換効率は落ちますが、価格が安いのが特徴です。
- アモルファスシリコン(薄膜)。薄膜シリコン太陽電池の一種です。変換効率は低めで、結晶シリコンに比べると、光をあて続けると、効率が悪くなる傾向があるようです。
- ペロブスカイト。ペロブスカイト結晶を使う、日本で開発された太陽電池です。シートに印刷するように、塗って、簡単につくれること、変換効率がシリコン並みに近づいていること、軽くて柔らかく、折り曲げられることから、次世代の太陽電池として期待されています。くわしくは、ペロブスカイト太陽電池とはの記事をご覧ください。
広告
夏は、発電量が下がる?
パネルには、表面の温度が高くなると、出力が下がる性質があります。受ける日射が同じなら、冬より夏のほうが、出力が下がります。発電量は、日射量に、ほぼ比例しますが、夏は、日射が強くても、温度が上がる分、思ったほど増えません。
快晴の日は、昼にかけて山のように発電量が増え、薄曇りでは、出力が小さくなり、雲が厚い日や雨の日は、さらに小さくなります。天気ごとの電気の使い方は、太陽光発電は曇りや雨の日、夜はどうなる?の記事で説明しています。
日射量が、そのまま発電量にならない理由
- パネルの温度が上がることによる損失。
- 設置の方式による、温度の上がりやすさの違い。
- パワーコンディショナが、直流を交流に変えるときの損失。
- 電圧を引き上げる機器(昇圧ユニット)を使う場合の損失。
- 配線、パネル表面の汚れ、逆流を防ぐダイオードによる損失。
日射の強さ、設置の条件(向き・角度・まわりの環境)、地域の差、温度でも、発電電力は変わります。カタログの数字の読み方は、太陽光発電のカタログの数字の読み方の記事をご覧ください。
まとめ:種類で効率と価格が違う。夏は温度で下がる
単結晶は効率が高めで、多結晶は価格が安めです。薄膜は効率が低め、ペロブスカイトは、軽くて曲がる、次世代の電池です。パネルは、温度が上がると出力が下がるので、夏は、日射が強くても、発電量が日射ほどは増えません。
関連記事
- ペロブスカイト太陽電池とは?薄くて軽い次世代の太陽光。いつ使える?
- 太陽光発電のカタログの数字の読み方。出力・発電量・条件を確かめよう
- 屋根の向きと影で、太陽光の発電量はどう変わる?反射光の注意も
- 太陽光発電は何年使える?パネルは20〜30年、パワコンは10〜15年が目安
出典
- 住宅用太陽光発電の設計と施工(SOLAR WEEK 2023、2023年11月13日)|太陽光発電協会(JPEA)(2026年10月24日に確認)
広告
